「転勤が決まった」「親からマンション、または一軒家を相続した」というような状況で家を貸すことを検討する方は、多いかと思います。しかし個人で家を貸す場合、貸主として何をしたら良いか分からない方も多いでしょう。そこで今回は、家を貸す前にやっておくこと、家を貸すときの注意点や流れについて解説していきます。
結論から言うと、個人でも家を貸し出せます。個人で家を貸し出す場合、次のようなケースが考えられるでしょう。
ちなみに家を貸すのに特別な資格は必要ありませんが、賃貸運営に必要な知識を得るという点で持っておくとよいとされる資格には、宅地建物取引士や賃貸不動産経営管理士などがあります。
家を貸すことによって得られる家賃収入は、副業によって得た収入とみなされるのでしょうか。たとえば、公務員は原則副業禁止とされていますが、一定の基準内であれば賃貸を行うことは可能です。同様に、民間企業においても基準内の賃貸であれば認められることが多いようです。
これは「家賃収入は不労所得のため、本業への影響が少ないこと」や「親が賃貸経営していたマンションを相続するなどのやむを得ない事情であること」という理由も含まれています。
会社員であっても、複数物件を貸し出している場合や、一定規模を超える場合は、副業ではなく事業として判断されることがあります。判断基準は以下の通りですが、下記未満であってたとしても別の要件が加わります。
参考:No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分[国税庁]
この場合は事業税を納税することになり税率は、所得に対して5%になります。
会社員の副業としては規模が大きいですが、個人事業主の方で不動産所得でも一定規模の所得がある場合は、別の事業がメインだったとしても、家を貸すことは副業ではなく本業扱いとなります。
公務員による賃貸が副業にあたってしまう「基準」は、人事院の規則に記載されています。
参考:人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について
副業として賃貸経営を考えている方は、これらの基準に該当しないようにしましょう。
個人で家を貸す場合も家賃収入により発生した所得に所得税がかかり、税金の支払い義務が生じます。所得とは収入から必要経費を差し引いた部分で、賃貸経営の場合、家賃収入から、家を貸すためにかかった費用を差し引いた利益が「所得」となります。
家を貸すことによって発生する所得税を納税するためには、確定申告が必要です。なお、年間所得が20万円以下の場合、確定申告は不要です。
確定申告は所得があった翌年の2月16日~3月15日の間に行います。
納税方法は、管轄の税務署や金融機関で現金での納付以外に以下の方法があります。
確定申告の詳しい方法は下記よりご確認ください。
家を貸すときには、以下のような費用がかかります。
費目 | 費用相場 | 概要 |
---|---|---|
ハウスクリーニング費 | 2~10万円 | 物件内・外の清掃にかかる費用 |
リフォーム費 | 5~100万円 | 老朽化した設備の改修費用 |
仲介手数料・事務手数料 | 賃料の1~2か月分 |
管理会社や不動産会社に支払う仲介手数料 司法書士、税理士、弁護士などに支払う手数料 |
損害保険料 | 契約内容によって異なる | 火災保険、地震保険、施設賠償責任保険などの保険料 |
税金関係 | 貸主による | 固定資産税、都市計画税、所得税、住民税など |
これらの他に下記も、確定申告時に経費として計上が可能です。収入から差し引ける経費が増えることで所得が減り、納めた過ぎた税金が還付されるメリットがあります。
プライベートと兼用している場合は按分が必要ですが、完全に私的利用しているものに関しては、経費として計上できないことは留意しておきましょう。
費目 | 概要 |
---|---|
通信費 | インターネットのプロバイダ料金や携帯電話会社に支払う料金など |
旅費・交通費 | 公共交通機関の運賃や自家用車のガソリン、駐車場代など |
自動車関連費用 | 車両の購入代金、自動車税など |
新聞図書費 | 情報を得るために購入した新聞、書籍、セミナー代など |
交際費 | 管理会社や不動産会社との飲食代 |
減価償却費 | 固定資産の取得にかかった全額を耐用年数で割った金額 |
ローン金利 | 融資を受けた場合のローン金利 |
消耗品費 | 必要な資料を印刷するためのプリンターやカメラなどの代金 |
個人で家を貸す場合、次のようなメリットがあります。
家を貸す最大のメリットは、家賃収入を得られることでしょう。自宅用に購入した物件を貸す場合は、手放さないまま活用できるほか、人が住むことで通風や通水が行われるため、空き家にする場合に比べて物件の状態を維持しやすくなります。また、賃貸にかかる費用は経費計上できることから、節税効果が見込めるのも家を貸すメリットです。
なお、賃貸に出すことを検討している物件を遺産として相続する場合、賃貸に出していた場合の方が「権利関係による調整」により物件の評価額が下がるため、相続税においても節税効果が期待できます。
家を貸すことにメリットを感じたら最初に行うことは、ご自宅がどのくらいの賃料になりそうかを知るための賃料査定です。賃料査定は経験豊富な大手の賃貸管理会社を中心に複数の会社に依頼しましょう。
一方、個人で家を貸すデメリットは次のとおりです。
先にも紹介したとおり、家を貸す際にはさまざまな費用がかかります。また、入居者の募集や家賃の管理など、多岐にわたる賃貸管理に関する手間も発生します。この点においては、管理会社に委託すれば大幅に手間を減少させられるでしょう。
そのほか、賃貸人として賃貸中の物件に関わる「修繕」と「維持・管理に必要な費用の支払い」、「一方的に契約の解除はできない」といった義務を負うことになります。賃貸契約や規約に違反した場合などを除いて強制退去もできないので、物件を売却したいタイミングで売れないなど、物件の取扱いに制限がかかる点もデメリットです。
家を貸す前に知っておくべきことや、やっておくべきことについて解説します。
入居希望者が集まりやすいよう、ハウスクリーニングやリフォームを行うのは当然のこと言えますが、あまり知られていないのが契約方法です。契約方法によって賃貸に出す物件における将来的な取扱いのしやすさが変わってきます。そのため、特に将来的に自宅に戻る予定がある場合は、事前に各契約方法の特徴を把握しておく必要があるでしょう。
家を貸す際の契約方法には、「普通借家契約」「定期借家契約」「一時使用賃貸借契約」の3つがあります。それぞれの特徴について解説します。
メリット | デメリット | |
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普通借家契約 |
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定期借家契約 |
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一時使用賃貸借契約 |
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それぞれメリット・デメリットがありますが、ざっくり言うと長期的に貸し出したい場合は「普通借家契約」、短期的に貸し出したい場合は「定期借家契約」または「一時使用賃貸借契約」がおすすめです。短期的に貸し出すなかでも契約期間に柔軟性を求める場合は、「一時使用賃貸借契約」が適しています。
普通借家契約は、一般的な賃貸における契約方法です。入居者の希望があれば、契約を更新して住み続けることができます。入居者保護の観点から、貸主からの解約には正当事由が必要であり、一方的な解約は難しくなっています。
一般的には2年契約などの契約縛りがあり、長期的に貸し出すのに最適です。借主にとって優位な契約方法になるので、賃料を相場で設定しても借主が見つかりやすい特徴があります。
これらの特徴から、安定的な家賃収入が期待できるのが普通借家契約のメリットです。一方で、貸主側の都合で解約ができないため、短期的な賃貸には向かない点はデメリットと言えます。
【普通借家契約がおすすめの人の特徴】定期借家契約は、契約時に設定した契約期間のみを賃貸期間とする契約方法です。入居者は原則として、契約期間満了時に退去しなければなりません。貸主と入居者の双方の合意が得られれば、再契約を行い、賃貸期間の延長が可能です。将来的に家を使う予定がある場合や、家を使わない間に有効活用したい場合におすすめの契約です。
ただし、貸主優位な契約方法となるため、家賃は相場の8割程度に下がります。また、契約期間が限定的であるため、借主が見つかりにくい点はデメリットになります。
【定期借家契約がおすすめの人の特徴】一時使用賃貸借契約は、その名のとおり一時的に賃貸として貸し出したい場合に用いられる契約方法です。たとえば転勤や数ヶ月から数年単位の間に賃貸に出す場合に用いられます。
期間を限定した契約であるため、定期借家契約と同様に借主が見つかりにくく、賃料は低めに設定する傾向にある点はデメリットとして挙げられます。ただし、定期借家契約とは異なり一時使用賃貸借契約では、一時的に賃貸していた事由がなくなるまでが契約期間となります。
また、一時使用賃貸借契約は、3ヶ月前までに告知すればいつでも解約可能です。そのため、定期借家契約よりも期間の柔軟性が高い契約方法です。ただし、入居者の立場が不安定となるため、2年以上の賃貸保証期間を設定して貸し出すことが一般的です。
【一時使用賃貸借契約がおすすめの人の特徴】家の貸し出し準備が終わったら、入居者を募集します。その後、入居希望者から申し込みが入ったら入居審査を実施します。入居審査とは、入居希望者に対して「家賃の支払い能力があるか」「家を貸しても問題なく使用してくれるか」を調べる調査です。この入居審査は自主管理している場合は大家さんが行います。
物件の管理を不動産管理会社に依頼している場合は、保証会社または不動産管理会社が独自の審査を実施してくれるので、より安心できる入居者を選定できるでしょう。
家を貸すということは、家賃という対価と引き換えに、自分の家を使わせることです。家賃(対価)に見合った家でなければ、借り手は見つけられません。入居前に専門業者によるハウスクリーニングを実施し、綺麗な状態の家を貸すのが一般的です。中でも特にチェックしておきたいポイントは、次の通りです。
基本的には専用の薬剤や機材を使うので、専門業者に任せましょう。
古い家の場合は、家を貸す前にリフォームするべきかどうか検討しましょう。築年数が経っていたり、内装が劣化していたりすると、借り手が見つかりづらくなります。
リフォームによって家賃を上げられる可能性もあるため、不動産管理会社に相談してみるとよいでしょう。なお、壊れている設備の修理は必須となります。
リフォームの費用感などはこちらを参照
個人で家を貸しているときには次のようなことを実施します。
今回挙げているのは上記の3つですが、各作業においても多様な作業があります。特に副業として賃貸経営を実施しようとしている場合は、自主管理では管理業務への対応が追いつかなくなるでしょう。本業であっても大変な作業になるため、できれば賃貸管理は管理会社に委託するのがおすすめです。
貸し出している家を自主管理している場合、原則として家賃は貸主の家に入居者が持ってくるとされていますが、現在は口座振替や振り込みが一般的です。入居者からの入金がない場合は、貸主であるオーナー自らが督促や回収するための対応も行わなければなりません。債権回収の段階になった場合、裁判などの法的措置をとらなければならないこともあるため、弁護士へ依頼が必要になることもあります。
不動産管理会社を利用すれば、このほとんどを任せることができます。ただし、債権回収や裁判などの法的措置は当事者もしくは弁護士しか対応できません。このような内容も任せたい場合は、貸主から不動産管理会社が賃貸して入居者へ貸し出す「転貸方式」をとっている不動産管理会社を利用しましょう。
自主管理している場合は、入居者から受ける問い合わせについても貸主が対応しなければいけません。なかでもクレームは迅速に対応しなければ、対応の遅さにさらなるクレームを受けることになります。
また、内容によっては専門知識が必要な場合もあり、対応は慎重に行わなければなりません。これらに対して、副業として賃貸経営を行う貸主が対応することは難しいでしょう。不動産管理会社であれば、管理業務のプロであるため、それまでの実績を活かして迅速にクレーム対応してもらうことができます。
家に付帯する設備は、入居者が問題なく使用できる状態にしておく義務を貸主が負っています。賃貸期間が長くなるにつれて、メンテナンスが必要な設備が増えていきます。壊れているものは修理を行い、耐用年数が過ぎたものは交換するなどの対応が必要です。
メンテナンスを行う設備によっては、数十万円単位の出費になることもあるので、あらかじめ修繕費用を積み立てるなどして備えておきましょう。
個人で家を貸す際には、次の点に注意が必要です。
各注意点の詳細を確認していきましょう。
住宅ローン返済中の家は、原則として貸し出すことはできません。なぜなら住宅ローンは、契約者本人またはその家族が住む家の購入を目的としているからです。
金融機関の承諾を得ないまま賃貸を行った場合、金融機関との契約に違反することとなり、ローン残債の一括返済を求められる可能性もあります。ただし、転勤などやむを得ない理由の場合は認められるケースもあるため、まずは金融機関に相談してみましょう。
賃貸借契約を締結する際は、必ず契約書を作成しましょう。契約書には下記のような内容を記載します。
なかでも「原状回復」については、個別に特約を設定することも考えられますが、特約の有効性については、判例により下記のような要件が必要とされています。
(1)特約の必要性があり、かつ、暴利的でないこと
(2)賃借人が通常損耗や経年変化の修繕義務を負うことを認識していること
(3)賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること
これらの要件が満たされていない場合は、特約を設定していても無効とされてしまう可能性があるため、注意しましょう。なお、契約書をイチから作成するためには、専門知識を要します。国土交通省が雛形となる「賃貸住宅標準契約書」を公開していますので、こちらをベースに作成するとよいでしょう。
家を貸すときは、必ず貸し出す前の家の状態を記録しておきましょう。入居者が退去した際には、入居者の故意や過失などによる損傷の「原状回復」を求めることができますが、退去時の物件の損傷については、入居者と貸主のどちらが支払うかで、しばしば揉めることがあります。
とくに古い家を貸す場合は、すでに傷などがついている箇所もあります。入居前の家の状態を写真等で記録し、退去時の状態と比較することで、原状回復の負担についてのトラブルを減らすことができるでしょう。
なお、一般的な生活をしていても発生しうる「経年劣化」や「通常損耗」は、原則貸主負担です。国土交通省から原状回復ガイドラインも発表されているので、一度目を通しておくとよいでしょう。
分譲マンションでは、管理組合が「管理規約」や「使用細則」を定めていることが多く、これは区分所有者だけでなく、占有者である入居者にも適用されます。入居者にも「管理規約」や「使用細則」の内容を共有し、マンションのルールも遵守してもらいましょう。
また、家を貸す場合に管理組合に対して届出が必要な場合があります。一般的なものは次の通りです。
マンションの場合は、管理規約等に従う必要がありますので、家を貸す前に必ず確認しておきましょう。
賃貸のなかでも一戸建てを貸し出す場合は、次のようなメンテナンスの必要性や災害リスクなどについても理解しておく必要があります。
●外装のメンテナンス
一戸建てを賃貸する場合、分譲マンションと異なり、外壁や屋根なども管理しなければなりません。これらのメンテナンスを怠ると、雨漏りなどが発生する可能性もあります。定期的な点検やメンテナンスが必要な箇所ですので、修繕計画を作成し、修繕費用を見込んでおきましょう。
●水害などのリスク
分譲マンションは、ほとんどの部屋が2階以上に位置していますが、一戸建ては1階を出入口として建てられている物件が多く、水害の場合は浸水しやすいです。また、開口部が多く、4面とも外に接しているため、台風などによる損傷も大きくなります。自然災害による損傷は、貸主が修理しなければならないため、あらかじめ火災保険などに加入し、万が一の費用を準備しておきましょう。
●セキュリティ
マンションの場合はオートロックなど建物全体でセキュリティが設定されていることが一般的ですが、一戸建ての場合は自分で対策を行う必要があります。死角となる場所があるなど、入居者の安全性に不安がある場合は、民間の警備会社と契約することを検討してもよいでしょう。
自宅などの個人宅を貸す場合や、知り合いに貸す個人間取引の場合でも物件の管理を管理会社に依頼することがあるでしょう。管理会社を通して家を貸す際は、契約前に次のような点のチェックが必要です。
物件管理の質は、入居者の満足度にも関係してきます。管理実績が浅い会社の場合、入居者がどういった点に不満を抱えやすいかなど、対応に戸惑うことが予想されるので、実績と経験が多い会社を選ぶようにしましょう。
そのうえで、管理手数料が安すぎる会社には注意が必要です。管理手数料は安いにこしたことはありませんが、標準サービスが少ないなど、その他のところで追加コストが発生する可能性が高くなります。トータルで出費が増える可能性があるので、金額だけでなく希望するサービスが含まれているか、どこまで対応してくれるのかをしっかりとチェックしましょう。
家を貸したいと考えたときに、個人的な知り合いや友人に家を貸したいと考えることもあるでしょう。近しい関係だからこそ言いづらいこともあるため、知人・友人だから大丈夫と慢心せずに必ず契約書を作成したうえで契約を交わすことをおすすめします。特に立ち退きや退去時の原状回復などでトラブルとなるケースが多く見られます。良好な関係性を保つためにも、両者の納得を得られる形で契約書を作成しておきましょう。
転勤などで知り合いに一時的に家を貸すときにおすすめなのが「一時使用賃貸借契約」です。
一般的に賃貸で用いられる「普通借家契約」では、契約期間満了時に入居者が更新を希望すれば原則として契約は更新されます。貸主からの解約には、正当事由が認められなければなりません。このため、契約時に定めた期間で必ず入居者に退去してもらえるわけではありません。
しかし「一時使用賃貸借契約」では、一時的に貸し出す理由がなくなれば、契約を終了することができます。たとえば「転勤期間中のみ家を貸す」ということであれば、帰任を理由に賃貸借契約を終了することができます。
入居者との契約までの流れは、次のとおりです。なお、ここでは物件の管理を不動産管理会社に委託することを前提として説明します。
まずは管理を依頼する不動産管理会社を探します。「賃貸に強みがある」会社を洗い出し、そのなかから保持する物件の種類や、貸し出したい期間に応じた実績のある会社を選定します。特にファミリー向けの物件や一戸建ての賃貸や期間限定で貸し出す定期借家契約を用いた賃貸は取扱いが少数であるため、実績がない会社だと借主を見つけられない可能性が高くなります。
不動産管理会社の候補がある程度絞れたら、賃料査定を依頼しましょう。賃料査定は物件データのみで査定を行う「机上査定」と、実際に家の中や周辺環境などを確認して行う「訪問査定」の2種類があります。より精度の高い査定金額を知りたい場合は、査定材料が多い「訪問査定」の依頼がおすすめです。
査定額は不動産会社の担当者の経験則から算出している部分が大きいので、相場を知るためにも賃料査定は複数社に依頼するようにしましょう。
賃料査定についての詳細はこちらの記事をご確認ください。
次に、賃料査定を依頼した会社の中から、依頼する不動産管理会社を決めます。物件の査定額や査定額の考え方、取り扱い実績などを踏まえて、総合的に判断します。
複数の不動産管理会社に依頼することも可能ですが、入居者募集の条件は揃えなければなりません。また、入居者決定後の賃貸管理は、入居者を見つけた賃貸管理会社に任せることとなります。
依頼する不動産管理会社を決めたら、入居者募集に向けて条件や賃料を決めていきます。不動産管理会社に提示された査定額を目安として、貸主の希望や他の募集条件と調整しながら決めていきます。もちろん相場より高く貸し出すことも可能ですが、入居者が見つかりにくくなります。
また、「ペット飼育」や「喫煙」などに関する条件も付すことができますが、多すぎる条件は入居者候補を狭めてしまうため、最低限の条件を設定しましょう。
入居者募集の条件を決めたら、不動産ポータルサイトなどに広告を掲載し、入居希望者を募りましょう。不動産管理会社によっては、社宅として貸し出す法人契約のチャネル、自社のグループ会社などのネットワークを生かした独自チャネルを持ち、集客力や法人契約を強みとしている会社もあります。
広告を見た入居希望者から内見の申し込みが入ることがあります。内見を通して「住みたい」と思ってもらうことができれば入居申し込みに繋げることができるので、ハウスクリーニングなどを行い、内見前に家の中を綺麗にしておきましょう。
入居希望者から申し込みが入ったら、入居審査を実施します。また、入居者が募集条件とは異なる条件で契約をしている場合は、条件交渉も行われます。
入居審査は信用機関や不動産管理会社独自の基準により審査され、最終的な入居の可否は貸主が決めます。信用機関や不動産管理会社による審査では、職業や過去の滞納歴などの支払い能力が審査対象です。
入居審査に問題がなく、契約条件においても双方の合意が得られたら、賃貸借契約を締結します。
個人で家を貸すのに資格は不要です。
結論からいうと賃貸物件にかかる税金は、賃貸物件の条件によって異なるので一概にいくらとは言えません。なお、賃貸物件にかかる税金には次のような種類があります。
本業がある場合は、賃貸経営は副業となります。ただし、副業が禁止であった場合でも「本業への影響が少ないこと」や「親が賃貸経営していたマンションを相続するなどのやむを得ない事情であること」などの理由から、一定の基準内であれば副業を認められるケースが多いようです。
個人でも家を貸せますが、貸す前の準備や貸している最中にやるべきことなど、さまざまな作業が発生します。これらの作業には賃貸経営や賃貸管理について専門知識が必要となる場合が多々あります。トラブル発生時には法的な知識を要するケースもあるので、特にはじめて家を貸す場合は自主管理ではなく、管理会社を利用するのがおすすめです。
管理会社に管理を委託すれば、賃貸管理の煩雑な作業をほぼ代行してくれます。手数料は発生しますが、逆を言えばそれ以外のデメリットはありません。ただし、管理会社の選定には注意が必要です。下記の記事も参考にしながら、保持する物件や自身の状況に最適な管理会社を選定してみてください。
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