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更新日2024年9月12日

【一軒家を貸す!】持ち家の一軒家を賃貸に出す方法と手順を徹底解説

【一軒家を貸す!】持ち家の一軒家を賃貸に出す方法と手順を徹底解説

両親から相続などで受け継いだ一軒家や、転勤で一時的に離れることになった持ち家を貸し出したいと考える方は多くいらっしゃいます。当社ではお預かりしている管理物件のうち40%以上が一軒家です。(※2024年9月時点)

この記事では一軒家を貸すにあたり、貸すときの手順や賃貸に出す際の注意点や管理方法など、一軒家を賃貸する方法や一軒家を貸すときのポイントなどを解説します。また、一軒家を貸すにあたってどのように賃貸管理会社を選べば良いかも解説しています。一軒家を貸す方は必見の内容です。

一軒家を賃貸にするには

一軒家を賃貸にするには、以下のようなことが必要になります。

  • 賃貸する際の注意点などを把握しておく
  • 住宅ローンを契約中であれば、賃貸に出しても問題ないか金融機関に確認する
  • いくらくらいで貸せそうか賃貸管理会社に賃料査定を依頼する
  • 賃貸管理会社と管理委託契約をし、契約方法や契約時の条件を決める
  • ハウスクリーニングを実施し壁紙や設備を整えておく

上記については、本記事でも詳しく解説しています。

一軒家を貸すメリット

一軒家を貸すメリットには次のようなものがあります。

家賃収入が手に入る

一軒家を貸すことで入居者から継続的に家賃収入を得ることができます。

一軒家を所有することでかかる住宅ローンや固定資産税などのコストを家賃収入からも賄うことができます。賃貸管理会社を利用する場合、管理手数料が必要となりますが、賃貸管理の手間をほとんどかけずに家賃収入が得られるようになります。コストを支払った上で余った分は生活費や貯蓄に回せます。

空き家のままにした場合は、管理費などの支出だけが発生し続けるため、賃貸に出すことは一軒家を貸す際の大きなメリットといえます。

家を手放さずに済む

一軒家を賃貸する場合、売却して手放すのとは異なり、不動産を保有し続けられます。これにより、賃貸終了後に再び住む選択肢を残すことができ、賃貸に出している期間は家賃収入を得て、必要になった時は自分達で住むことができるのも魅力です

将来、持ち家に戻るシチュエーションとして、以下のような場合が考えられます。

  • 転勤終了後、慣れ親しんだ家に再度住む
  • 将来的に自分の両親や子供と同居する
    もしも介護が必要になれば、多少リフォームなどして世話ができるのも一軒家ならではのメリットです。

また、不動産価格の上昇が期待できる場面においては、賃貸として物件を保有することで、月々の家賃で収入を得ながら、現在より高い価格で売却するための機会をうかがうこともできます。

賃貸に出すことは将来の選択肢が広くなるため有効な資産活用方法です

費用を経費に計上できる

持ち家である一軒家を賃貸に出す場合、賃貸経営に関わる費用は経費として計上できます。費用は以下のような項目があります。

  • 固定資産税、都市計画税
  • 火災保険料、地震保険料などの損害保険料
  • 減価償却費
  • 管理組合に支払う管理費・修繕積立金[マンションの場合]
  • 賃貸管理会社に支払う管理手数料
  • 自宅を取得したときの借入金の利息分[住宅ローンが残っている場合]
    (ローン元本は認められません)

管理手数料を除き、賃貸に出さない場合、これらは単なる出費として家計を圧迫しますが、賃貸に出せば経費計上できるため、税金の支払いを抑えられるメリットが得られます。

家の劣化をおさえることができる

人が住まない家は劣化が進みます。しかし、一軒家を賃貸に出していれば、入居者が生活する中で換気や掃除といった手入れが行われ、家の劣化を抑えることができます。また、空き家の場合は、人が住んでいないことによる不法侵入不法投棄などの被害を受ける可能性がありますが、このようなリスクも賃貸によって入居者が住むことで回避できます。

賃貸に出している期間は借主による持ち家の維持・管理がされます。庭がある場合も庭木の手入れなどが定期的に行われると考えられます。空き家にしておくより、自らの手間をかけずに持ち家の資産価値を保てることも賃貸に出すメリットといえるでしょう

一軒家の賃貸を検討しはじめたら、まずは複数の賃貸管理会社に賃料査定を依頼して家賃収入の目安を把握すると良いでしょう。一軒家は各家で独自性があるため、一般的なマンションの賃貸と異なる点も多くあります。リロの留守宅管理では40年以上の賃貸管理実績から一軒家の賃貸実績も豊富にあります。賃料査定の比較検討にぜひご利用ください。

一軒家を貸すときのデメリット

一方、一軒家を貸す際にはリスクなども考慮しなくてはなりません。代表的なデメリットをご解説します。

空室リスクがある

入居者がいる期間は定期的な家賃収入が見込めますが、入居者がいなければ、当然に家賃収入はなくなります。特に一軒家の場合、駅前よりも少し離れた立地にあることが多く、駅から遠くなる分、商業施設も少なくなることから空室リスクも上がるといえるでしょう。

また、売却などで手放してしまった場合とは異なり、空室期間にも固定資産税やローン返済のランニングコストはかかり続けます。

空室リスクの対策方法は適切な賃料設定や条件設定、入居者募集に向けたリフォームやクリーニングといった物件の手入れをどの程度行うかといったことが重要です

管理に手間やコストがかかる

一軒家を賃貸として貸し出す場合、賃貸開始前のハウスクリーニング、賃貸中に発生する設備の修繕、賃貸終了後の精算など賃貸に出すことで手間やコストが発生します。それらのコストは当然ながら物件所有者が負担します。また、賃貸に出すことで入居者対応や物件の管理も必要になります。

このような賃貸に掛かる手間は賃貸管理会社に委託することで大幅に削減でき、貸主がやることはほとんどなくなります。入居者募集においても、家賃設定時に周辺相場をもとにした適切なアドバイスを受けられたり、独自の入居者募集ルートを持っていたりするので、賃貸管理会社を上手に活用すると賃貸におけるデメリットを軽減できます。委託手数料は5~10%が一般的です。

加えて、賃貸管理会社によっては、修繕費用に対して一定額の保証やサポートを標準サービスとして提供しているケースもあり、そうしたサービスを上手く活用することで急な高額の出費を避けられます。

一軒家の賃貸ニーズはマンションより少ない

一軒家を貸すことはマンションを貸すことに比べて、若干難易度が上がります。。理由としては、一軒家のターゲットとなる子供を持つファミリー世帯は、マンションと比べると賃貸需要が弱まるためです。

ただし、一軒家の賃貸でも、対策次第で借主は見つけられるようになります。一軒家はそれぞれ個性があるため、一軒家の賃貸実績のある管理会社であれば、それぞれの間取りなどに対応した経験や賃貸募集方法などから一軒家の持つ個性に合った提案が期待できるため、そのような賃貸管理会社に依頼することで解決できるでしょう

確定申告の手間がかかる

一軒家を賃貸に出して得た家賃収入は、不動産所得となります。

1月1日から12月31日までの不動産所得が年間20万円を超えた場合は、毎年2月16日から3月15日までに確定申告をしなければいけません。e-taxというWebサービスを使って申告をする場合は、1月4日から3月15日までとスタートが早くなり、申告期間が長くなります。

確定申告は計算や書類作成など作業が多く、専門的な知識がないと難しいこともあり手間がかかりますが、リフォーム代や賃貸管理会社に支払う管理手数料などは経費になり、確定申告によって収入から控除することで、節税効果が期待できます。

確定申告は義務なので忘れたり、申告期間から遅れたりした場合はペナルティにもなるので注意が必要です。

一軒家を貸すときの手順

持ち家である一軒家を貸すときの賃貸管理会社の選定から賃貸契約までの手順を解説していきます。

  1. 一軒家の扱いが多い賃貸管理会社の選定
  2. 貸し出す準備をする
  3. 賃料や入居の条件を決めて入居者を募集する
  4. 入居審査と賃貸借契約

一軒家の扱いが多い賃貸管理会社の選定

一軒家を貸し出す第一歩は賃貸管理会社の選定です。賃貸管理会社の選び方は「8.一軒家を貸すときの管理会社の選び方」で解説するので参考にしてください。

まずは一軒家の賃貸に強い賃貸管理会社を見つけ、想定賃料を調べてもらえる賃料査定を申し込みましょう。最終的には家まで来てもらい、詳細な賃料を算出してもらいます。

賃貸管理会社は管理手数料やサービスの範囲が異なります。一軒家を賃貸する場合は、2~3社の賃貸管理会社へ賃料査定を申し込み、賃料査定額や賃貸に出す際の提案、サービスの内容などを聞き、管理手数料と内容が見合っているか確認しましょう。例えば、一時的に一軒家を貸したいという場合には、そういったケースの経験が豊富なリロケーションサービスを専門的に扱っている会社を選ぶのがおすすめです。

貸し出す準備をする

賃貸管理会社が決まったら、一軒家を貸し出すために次のような準備をしておきましょう。

  1. 業者によるハウスクリーニングを行う
  2. 庭がある場合は庭木の手入れをしておく
  3. エアコンや給湯器などの設備に不備がないかを確認する
  4. 退去時に備えて室内の壁や柱、外壁、門扉などの傷の場所を撮影し記録しておく

これらは賃貸に出すにあたり、内見時の印象を良くする、賃貸中に入居者に快適に住んでもらう、退去時に入居者がつけた傷を修繕してもらう、といったことを目的としています。

これらの準備は入居者募集中にもできますが、思ったより早く入居者が決まることも考えられます。修繕の手配がなかなかできずに入居社を待たせてしまうと、他の物件に流れてしまう可能性もあります。そのため、余裕をもってこれらの準備をしておくことをおすすめします。

賃料や入居の条件を決めて入居者を募集する

賃貸管理会社が決まったら、入居条件を決めていきます。具体的には、家賃や契約の種類、契約期間、ペット飼育、喫煙の可否などの項目です。なお、貸主の希望ばかりを取り入れると入居希望者は少なくなるので、どのような条件であれば借り手がつきやすいか、必要最低限の条件を意識することが大切です

また、賃料設定は入居者を決める重要なポイントです。家賃を高く設定すれば空室期間が長期化する可能性もある反面、ひと月あたりの収益は増えます。逆に低く設定すると入居者が決まりやすくなる反面、月々の家賃収入が減ってしまいます。賃料は時期や相場で変動するため見極めが難しいです。賃料や入居者条件を決める際には、賃貸管理会社の担当者としっかりと打ち合わせを行いましょう。

リロの留守宅管理の入居者の募集方法は、大手上場企業をはじめとした法人取引企業2万社以上の実績から自社内の社宅事業部門での法人契約向けの賃貸や、8,000店舗を持つ国内最大級の不動産ネットワークで入居者を探します。

入居審査と賃貸借契約締結

入居希望者から申し込みが入ったら、入居審査を行います。入居審査は賃貸管理会社を通して保証会社が行いますので、貸主が実施することはありません。審査結果によっては申し込みを断る場合もありますが、契約後に賃料未払いなどの問題が起きてからでは遅いため、人物も含めて一軒家を貸して問題ない人物かしっかり審査してもらいましょう。

審査に問題がなければ賃貸借契約の締結へと進みます。へと進みます。賃貸借契約は専門的な知識が必要になるので貸管理会社に任せることをおすすめします。たとえ個人間の賃貸であっても、賃貸管理会社に間に入って契約を締結することをおすすめします。

一軒家を貸す方法

持ち家である一軒家を貸すときには、大まかに次の方法について検討します。具体的に解説していきます。

  1. 一軒家を貸すには3つの契約方法がある
  2. 一軒家を貸すときの賃貸管理方法とは

一軒家を貸す3つの契約方法

一軒家を貸し出す際には、どの契約方法を選ぶかが重要です。「普通借家契約」「定期借家契約」「一時使用賃貸借契約」の3つの種類の特徴と、それぞれを比較してご紹介します。

普通借家契約 定期借家契約
(リロケーション)
一時使用賃貸借契約
(リロケーション)
契約期間 2年ごとが基本 期限となる日付を予め設定する 帰任するまで
※ただし、「短くても○年間」という保証期間を2年以上設ける
更新の有無
※双方が合意した場合を除く
中途解約の可否
※正当な事由がある場合は除く

※契約期間満了の半年~1年前に予告が必要

※保証期間は解約不可
※解約日の3か月前に解約予告が必要

普通借家契約

普通借家契約は、一般的に用いられる賃貸契約です。契約期間は2年が基本で更新制度があり、入居者からの契約解除の申し出がない限り、自動的に更新されます

普通借家契約は入居者保護の観点が強く、退去は入居者の意思が尊重されます。入居者が退去を申し出ない限り住み続けられるため、長期の貸し出しに向いており、安定的な家賃収入が見込めます。

賃貸市場のほとんどの物件がこの契約方法のため、入居者を募りやすいのがメリットです。半面、転勤期間中だけ賃貸に出すようなリロケーションでは、元の一軒家に戻ることが難しいことがデメリットになります。

【普通借家契約がおすすめの人の特徴】

  • 家賃収入を最大化したい人
  • 将来的に自宅に戻る予定がない人

定期借家契約

定期借家契約とは、持ち家を一定期間だけ賃貸として貸し出す方法です。契約期間は事前に貸主が決められるため、転勤の間だけ貸し出すといったリロケーションに最適です。また、定期借家契約では契約の更新はなく、契約が満期になれば入居者は退去することになります。ただし、双方が合意した場合は、再契約が可能です。

契約期間の縛りがある分、家賃は相場よりも安く設定される傾向にあります。また、短期の貸し出しになるため、普通借家契約よりも借主が見つかりにくいことがデメリットです。

【定期借家契約がおすすめの人の特徴】

  • 一時的に持ち家を貸し出したい人

一時使用賃貸借契約

一時使用賃貸借契約とは、一時使用を目的に締結される賃貸契約です。定期借家契約と同じく、契約期間は貸主が決められるため、リロケーションにも多く用いられます。定期借家契約と異なるのは、最初に定めた契約期間を過ぎても一時使用の目的が果たされない場合に契約が自動延長される点です。たとえば転勤期間中の賃貸において契約期間を「2年」と定め、当初は2年で帰任する予定だったところ、任期が伸びた場合には一時使用の目的が終了する帰任まで契約が続きます。

また、一時使用賃貸借契約では3か月前までに告知すれば、契約の終了が可能です。帰任期間が長引いても柔軟に対応できるので、よりリロケーションに向いている契約方法と言えます。

ただし、この契約は転勤中の賃貸など、「一時的な使用」を目的とした限られた状況での賃貸にしか用いることができないのがデメリットです

【一時使用賃貸借契約がおすすめの人の特徴】

  • 転勤中に一時的に持ち家を貸し出したい人
  • 赴任期間が短縮・延長する可能性がある人

長期での貸し出しを考えている場合は「普通借家契約」、現在の家に再度住む予定がありそうな場合は「定期借家契約」、転勤期間に限って貸し出したい場合は「一時使用賃貸借契約」がおすすめです。

一軒家を貸すときの管理方法とは

一軒家を賃貸する際には、手間が掛からないような管理方法を選びましょう。種類は大きく分けて3つありますのでそれぞれ解説していきます。

自主管理

1つ目の方法は「自主管理」といわれる一軒家の賃貸管理をご自身ですべて行う方法です。不動産管理会社などが入らないので家賃収入のすべてがオーナーに入金されます。一方、家賃回収から退去時の立会い敷金の精算にいたるまで、すべての賃貸管理業務をご自身で行わなくてはなりません。賃貸経営でしっかりと収益を得ようと考える専業大家さん向けの管理方法と言えるでしょう

管理委託

2つ目の方法は「管理委託」で、入居者募集から家賃回収まで一軒家の賃貸管理全般を管理会社へ委託する方法です。不動産管理会社によって対応できる業務は異なるものの、手間のかかる管理業務を自分で行わなくても良い方法で、自主管理に比べオーナーの業務負担を大きく軽減できます。ただし、毎月の家賃収入から5%程度が管理委託料として差し引かれるため、自主管理に比べて収益が減少するデメリットもあります。

転貸

3つ目の方法は「転貸」で「サブリース」とも呼ばれる賃貸管理の方法で、不動産会社がオーナーから一軒家やマンションの不動産物件を借り、それを入居希望者へと又貸しする形ですリロケーションなどでもよく用いられています。

オーナーの管理業務は管理委託以上に抑えられ、手間や労力が他の方法よりかからないメリットがあります。ただし、管理手数料が10~12%と管理委託以上となるため、収入が減るデメリットがあります。また、当社では取り扱っていませんが、長期間の一括借り上げ保証をする賃貸管理会社もあります。投資物件が主な対象となっていますが、契約解除が難しかったり、高額な違約金が発生したりするケースもありますので注意してください。

管理方法 メリット デメリット
自主管理
  • 管理委託手数料がかからない
  • 入居者とコミュニケーションを取りやすい
  • 管理全般を行うため、手間と時間がかかる
  • 管理不十分によるトラブルが発生するおそれがある
  • 物件管理の専門知識が必要
管理委託
  • 管理を不動産会社に一任できる
  • 空室リスクやクレームに関するアドバイスを受けられる
  • 管理手委託手数料がかかる
  • 管理会社によってはトラブルが頻発する
転賃
  • 管理を不動産会社に一任できる
  • 家賃保証サービスを受けられる場合がある
  • 破損やトラブルなどの情報が届きにくい

管理方法については、転勤のように遠方に引っ越す場合や本業が忙しい場合など、ほぼ全ての賃貸管理業務を管理会社に任せたい場合は「転貸」か「管理委託」がおすすめです。

「リロの留守宅管理」では、先に挙げた全ての契約方法を取り扱っており、賃貸管理の方法も一番手間が軽減できる「転貸」です。一軒家の賃貸事例も豊富にあり、40年以上の賃貸管理実績から丁寧にサポートいたします。一軒家を貸すことを検討している場合は、お気軽にご相談ください。

一軒家を貸す際の注意点

持ち家である一軒家を貸す際の注意点について解説していきます。

住宅ローン返済中は注意が必要

住宅ローンを返済中の場合は、原則賃貸に出すことはできません。住宅ローンには「自己居住用の家であること」が融資条件として含まれています。そのため住宅ローン支払い中の一軒家を賃貸に出す場合、原則として事業用ローンに切り替える必要があります。

ただし、金融機関によっては「転勤による一時的な賃貸」ならば、住宅ローンの使用継続を認めてくれるところもあります。転勤によって一時的に一軒家を貸し出す予定がある場合は、先に金融機関へ相談をしておきましょう

ちなみに、住宅ローン控除(住宅借入金特別控除)については自ら居住をしなくなった時点で受けられなくなります。ただし、再入居の際には、事前手続きを済ませておくことで残存控除期間において再適用を受けられる場合がありますので、確認しておきましょう。

費用にも注意してシミュレーションをする

一軒家を貸す最大のメリットは、継続的に家賃収入が得られることと紹介しました。ですが、一軒家を貸すことで発生する費用もあります。家賃収入がそのまま収益になるわけではないので注意をしておきましょう。

賃貸管理会社に委託する際の管理手数料のような定期的に発生する費用とは別に、エアコンや給湯器などの家電設備は経年劣化をすることで修繕費用が発生するかもしれません。製造日が古い設備は賃貸に出している間に故障する可能性もあります。各設備の耐用年数を確認し、定期的にかかる費用と合わせ、その年に発生するかもしれない修繕費としてシミュレーションしておくと良いでしょう

また、一軒家を貸すときに特に注意したいのは、室内の修繕に加えて、外壁塗装の塗りなおしや自然災害で破損した場合の屋根や門扉の修繕費用が発生する可能性がある点です。たとえば、外壁塗装は定期的に実施しなければ、雨漏りや害虫の侵入を招き、建物の劣化を早めてしまいます。

ハウスメーカーの定期点検が設定されている場合は、賃貸中であっても賃貸管理会社を通して入居者と相談し、なるべく受けるようにしましょう。

【一軒家を貸すと発生することが考えられる費用】

一軒家を貸す前に発生する費用

  • 仲介手数料
  • ハウスクリーニング費

一軒家を貸している間に発生する費用

<定期的に発生する費用>

  • 所得税、住民税
  • 損害保険料(建物の火災保険料や地震保険料)
  • 管理手数料

<突発的に発生する費用>

  • 修繕費

先述した通り、これらの費用は確定申告時に費用計上できるものもあります

収入から控除することで節税対策になり、結果として支出を減らせます。領収書は大切に保管しておきましょう。

入居前の記録を取る

4-2. 貸し出す準備をする」でもご紹介しましたが、詳しく解説します。

解約時に借主が責任を負うべき損傷を明確にするためには、貸し出す前から準備しておくことが大切です。

また、解約時に生じていた損傷が借主によるものかを明確にするために、賃貸前に部屋や設備の状態を記録することも大切です。分譲マンションであれば記録するのは専有部である部屋の内側が中心となりますが、一戸建てであれば、門扉や庭、塀といった室外の設備についても記録しておく必要があります。

セキュリティ対策を行う

一軒家はオートロックや防犯カメラがないため、マンションに比べて防犯性がやや低くなります。一軒家の賃貸ニーズは子育てファミリー層が多いこともあり、セキュリティ対策がしっかりしている方が好まれます。セキュリティ対策は効果が見えづらい部分ではありますが、同じ条件でもセキュリティ対策の差でマンションに流れてしまう入居希望者の獲得を狙ったり、賃貸に出している他の一軒家と差別化したりするなら、事前にセキュリティ対策をしておくと良いでしょう。

例えば、ホームセキュリティサービスへの加入、人感センサー付き照明、防犯カメラの設置、窓の補助鍵、鍵のついた門扉にするなどの対策です。このような対策をすると、「セキュリティ対策ができた一軒家」という魅力が生まれ、マンションに比べ賃貸ニーズを少なくしている一軒家のデメリットを覆せます。子育てファミリー層は、「マンションほど子供の声を気にしないで済む」「家族が多い分収納スペースが多くほしい」といった理由から一軒家を好む方も多く、セキュリティ対策ができた一軒家は空室リスクの軽減にもつながるでしょう。

一軒家を貸すか売却で迷ったら?

一軒家を貸すのがおすすめの人の特徴

【一軒家を貸すのがおすすめの人の特徴】

  • 家賃収入を得たい
  • 思い入れのある家を手放したくない
  • 将来的に戻ってくる予定である
  • 資産として保有して、将来的に活用したい
  • 資産価値が上がっているので、いま手放すのはもったいない

家を手放すことなく家賃収入を得られるのは、前述のメリットで触れたとおりです。さらにそれ以外にも、賃貸であれば所有権は手元に残したままなので、契約終了後にまた自分たちで住むことも可能です。そのため、転勤などで一時的に家を空ける場合に賃貸はとても有効な手段です

また、資産価値が上がるまで待ってから売却したいと考える人にも賃貸がおすすめです。空き家として放置しておくと、経年劣化が早くなるだけでなく、放火や不法侵入といった犯罪の心配が高まりますが、賃貸にしておけばそうした心配は軽減されます。

一軒家を貸さない方が良い人

【一軒家を貸さない方が良い人の特徴】

  • 単身赴任する人
  • 拠点を移したくない人
  • 一時的とはいえ、他人が家に住むのを好まない人

単身赴任で家族が自宅に残る場合は、当然ですが賃貸として貸し出すことはできません。また、家族と一緒に赴任先に異動した場合でも長期休暇などで定期的に家に戻ってきたい人には賃貸は不向きです。

賃貸として貸し出すと、一時的とはいえ他人が自宅に住むことになります。人によって設備の使い方や、掃除に対する考え方などが違い、その違いは確実に家に刻まれます。自宅に戻ったときにこうした違いを感じるのが嫌な人は一軒家を賃貸にするのはおすすめできません。

一軒家を貸すときの賃貸管理会社の選び方

一軒家を貸し出す際は、賃貸管理会社に管理業務を委託することがおすすめです。また、その際どのように賃貸管理会社を選ぶと良いかを解説していきます。

管理戸数が多い会社を選ぶ

不動産会社は、管理戸数が多い会社を選ぶことがポイントです。

管理戸数は、不動産会社のホームページに記載されていることが多く、管理戸数が多いことは、それだけ貸主から信頼されており、賃貸仲介が強い会社であることを物語っています

転勤で貸すときはリロケーションに強い会社を選ぶ

転勤期間中だけ一軒家を貸し出すリロケーションの場合は、一般的な賃貸契約とは異なる契約方法を用いるため、賃貸管理会社にも専門的な知識やノウハウが必要になります。

リロケーションも行っている会社は、ホームページでリロケーションを扱っていることを記載してある場合が多いので、転勤等で貸すときは事前に不動産会社のホームページでリロケーションの実績の有無を確認しましょう。

ITを駆使したサービスに積極的な賃貸管理会社を選ぶ

新型コロナウイルス以降、近年の不動産業界ではIT化が急速に進んでいます。

一軒家の入居希望者は子育て世代も多く、物件まで来られない方や若い方もいるため、ITサービスを取り入れている賃貸管理会社は重要な選定要素となります

具体的には、オンライン内見やIT重説、電子契約等の非対面型のサービスを導入しているなどです。特にオンライン内見は、多くの入居希望者を集めることができ、一軒家への入居を希望する属性のファミリー層が決まりやすい可能性を高めています。

サポート体制の充実した賃貸管理会社を選ぶ

サポート体制が充実した賃貸管理会社を選ぶことも重要なポイントとなります。

具体的には、入居者窓口に24時間電話がつながるサポート体制が整っている賃貸管理会社が望ましいです。会社員の場合、日中に管理会社に連絡をすることは難しく、仕事が一段落したタイミングに連絡できる、日曜や祝日でも連絡できることは利便性の向上とともに安心感につながります。

貸主側のサポートについても、平日だけでなく、土日や祝日に連絡ができると良いでしょう。また、アプリやWEBサービスによって契約内容や賃貸状況などを確認できると、海外赴任など遠方にいる間の賃貸でも安心です。

管理手数料に見合うサービスかをトータルで見極める

「管理手数料」だけでの判断は賢明な選択だとは言えません。賃貸管理会社選びで大切なことは、トータルでどのくらいコストがかかるのか、さらにご自身の手間・負担がどのくらい発生するかという点です。「賃貸管理会社から提供される業務内容」「管理手数料以外にかかる費用」を確認し、一軒家を貸す目的と管理業務が問題ないか確認すると良いでしょう。

たとえば家賃20万円の一軒家の賃貸管理において、管理手数料が他社より2%安い賃貸管理会社があったとします。この場合、2%の管理手数料の差によって生じる年間の管理手数料の差額は48,000円です。しかし、手数料の安さの理由が入居者募集に対する広告費用を抑えている点にあったらどうでしょうか。借主が見つからなければ生じる損失はひと月あたり20万円です。このことから、管理手数料の差が収益に与える影響は、さほど大きくはないことがわかります

賃貸管理会社を選ぶときには、管理会社が管理している賃貸物件の入居率なども確認し、賃貸管理全体で安心して管理を任せられる不動産会社を選ぶことが大切です

まとめ

住んでいない一軒家を賃貸として貸し出せば、家賃収入を得られるだけでなく、家の劣化も抑制できます。その一方で、空室リスクや管理に手間と時間がかかるなど、デメリットも考慮しなければいけません。特に転勤や海外赴任など、期間限定で貸し出す場合は借主がなかなか見つからないこともあります。

リロの留守宅管理」には、福利厚生代行グループという立場を活かし、2万社を超える法人集客ルートがあります。約8,000店舗にもおよぶ不動産ネットワークを活用できるため、早期入居のサポートが可能です。賃料の未払いや設備の破損といった賃貸中に心配なトラブルにおいても、さまざまな保証サービスを用意しているので、一軒家の貸し出しを検討している人は、ぜひお気軽にご相談ください。

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