家を貸すときの家賃の決め方を解説!重視される基準や算出方法について

家を貸すときの家賃の決め方を解説!重視される基準や算出方法について

初めて家を貸し出す場合には、どのくらいの家賃で貸すことができるのか見当がつかない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

家を貸す際に家賃を決めるには、不動産会社に「賃料査定」を依頼します。不動産会社は周辺の家賃相場や過去の成約事例をもとに賃料を算出してくれます。これにより、自分で調べるより簡単でかつ現実的な家賃の目安が決められます。

また、支出がどれくらい発生するか、ある程度シミュレーションも必要でしょう。希望の手取りに対して支出を加味し、それが周辺の賃料相場に対してどうかも確認すると良いでしょう。

今回は家を貸すときに、何を目安に、どのように家賃を決めれば良いのか、家賃の算出方法から家賃を決める大事なポイント、家賃相場を調べる方法など、家賃の決め方について解説します。

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1. 家賃の算出方法

家賃の算出方法

家を貸す際は、不動産会社に賃料査定を依頼して家賃を算出してもらうことが一般的です。

多くの場合、家賃の査定は、周辺の類似物件の賃料を参考に算出されます。具体的には、本章で紹介する「賃貸事例比較法」を用いて査定されることが多いです。

ここでは賃貸運営における賃料を決めるための方法をお伝えします。

1-1. 賃貸事例比較法

周辺の取引事例をもとに家賃を算出する方法です。

対象物件と類似する複数の物件を比較して家賃を算出します。類似物件が多い方が、比較対象の事例が多くなるので賃料を算出しやすくなります。具体的な比較方法は「2. 家賃を決めるときに大事なポイント」で解説しますが、物件の立地、階数や設備などを比較しながら、募集時期も考慮して算出します。

持ち家の賃料査定で主に用いられている算出方法で、「リロの留守宅管理」もこの方法を用いて査定します。

1-2. 積算法

((土地+建築費用)×期待できる利回り)+諸経費[年間])÷12か月

投下資本に対して、どれだけの賃料を設定するのが適切か、という観点から家賃を算出する方法です。物件所有者の立場から見て、適正な利益を確保できる家賃を算出します。主に事業用の新築物件の賃料査定で使用します。

1-3. 収益分析法

商業施設や病院、ホテル等において、企業経営に基づく総収益を分析して対象不動産の純収益を求め、これに必要諸経費等を加算して収益賃料を求めます。住宅や事務所等では使用されません。

2. 家賃を決めるときに大事なポイント

家賃を決めるときに大事なポイント

実際に賃貸物件の家賃はどのようにして決められているのでしょうか。家賃の決定に影響与える7つのポイントをご紹介します。

2-1. 家賃を決めるときに大事なポイント①立地

基本的に学校や職場などを基準として、便利で安心できる場所を選ぶ人が多いでしょう。駅までの距離が近く、通勤や通学などがしやすいことはもちろん、スーパーや医療機関、学校などが近隣にあり、生活に便利な場所であること、治安が良く安心して暮らせる地域であることなど、立地は家賃に大きな影響を与えます。

2-2. 家賃を決めるときに大事なポイント②物件種別、築年数、専有面積

同じ間取りでも、マンションか一戸建てかで家賃が異なります。また、築年数が浅いほど、家賃は高くなります。面積に関しては、広いほど家賃の総額は高くなりますが、単価は低くなることが一般的です。

2-3. 家賃を決めるときに大事なポイント③建物や室内の状態

建物の外観や室内の状態が綺麗であれば、入居者から高い評価を得ることができます。物件の立地を変えることはできませんが、リフォームやリノベーションを行うことで、相場よりも高い家賃でも入居者を見つけられる可能性を高くできます。

2-4. 家賃を決めるときに大事なポイント④設備

安全性を重視する子育て世代などでは、防犯システムや防犯カメラなどのセキュリティ設備が整っている住宅が人気です。宅配ボックスや浴室乾燥機など、生活が便利になる設備もポイントとなります。

2-5. 家賃を決めるときに大事なポイント⑤方角、階数

陽当たりの良い南向きの部屋や、角部屋は人気が高く、家賃を多少高く設定できることがあります。また、階数が上がると眺望がよくなり、家賃も高くなることが一般的です。

2-6. 家賃を決めるときに大事なポイント⑥建物の構造

耐震性の高い建物は人気があります。木造よりは鉄筋コンクリート(RC)造、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の建物の方が耐震性や耐火性が高くなります。また、遮音性も高くなります。

2-7. 家賃を決めるときに大事なポイント⑦賃貸契約の種類

一方、あらかじめ契約期間を定める「定期借家契約」は「普通借家契約」よりも貸主に有利な内容となっているため、家賃を低く設定して入居者を募集することが一般的です。

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3. 家賃の目安を調べる方法とは

家賃の目安を調べる方法とは

家賃は自由に設定できます。ただし、前述の7つのポイントをもとに決めても、競合となる物件の条件の方が良ければ、選んでもらうことは難しくなります。入居者を見つけるためには、貸し出したい物件に設定すべき家賃の目安を知っておく必要があります。家賃の目安を知るには、周辺で類似物件の賃料を確認すれば分かります。確認方法は簡単なので解説していきます。

3-1. 条件が近い物件の相場を調べる

不動産ポータルサイトには、多くの物件情報が掲載されています。最寄り駅や物件の広さ、築年数など、貸し出したい物件の条件を入力し、同じような条件の賃貸物件の家賃を調べてみましょう。

もし、近くに似たような条件の物件がない場合は、近隣の駅まで対象を広げて物件を探してみるとよいでしょう。また、別の路線であっても、最寄り駅からターミナル駅までの距離が同じくらいであれば、物件の家賃相場も似通っている可能性があります。駅からの距離や広さ、築年数などが似ている条件に絞って家賃を調べてみると参考になります

ただし、不動産ポータルサイトで掲載されている賃料はあくまでも募集時の賃料になり、実際に成約した家賃と異なる場合があります。実際に成約した家賃を確認する方法は「4. 現実的な家賃の額を知る方法とは」で説明します。

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3-2. 家賃データの分析をする

ポータルサイトに掲載されている情報は、現在入居者を募集している物件に限られるため、近いエリアで、近い条件の物件をたくさん見つけることは難しいでしょう。そのような場合には、最寄り駅からの距離や築年数、広さなどによって家賃のデータを分けてみましょう。
駅から離れるごとに変わる家賃の差額や、築年数が増えるごとに変わる家賃の差額を分析し、貸し出したい家やマンションの条件に当てはめてみると、より家賃相場に近い値を導き出すことができます

3-3. 支出の目安を把握して家賃を決める

家を貸していても所有者は貸主のままなので、所有時と同じ程度の費用と貸し出すことで発生する費用があります。家賃相場は目安となる重要な指標ですが、発生する費用を考えずに家賃を設定してしまうと上手な資産活用はできなくなります。そのため、ある程度費用を考慮して家賃を決めることも必要です。

例としてマンションを貸している間にかかる費用は次のようなものがあります。1ヶ月あたりの家賃収入の手取り額を「10万円」と仮定した場合、これらの費用を加味して家賃を設定すると良いでしょう。なお、一戸建ての場合は④、⑤の費用は発生しません。

①管理会社への管理手数料(毎月発生):家賃に対して5~10%くらい
②所得税、住民税(毎年):所得により変わるため、目安の額が出せない為割愛
③固定資産税(毎年):総額を12分割し1ヶ月あたりの額を算出
④管理・共益費(毎月発生):17,103円(駐車場使用料等からの充当額を含む)(平均)
参考:令和5年度マンション総合調査結果〔概要編〕24ページ
⑤修繕積立金(毎月発生):13,378円(駐車場使用料等からの充当額を含む)(平均)
参考:令和5年度マンション総合調査結果〔概要編〕25ページ

家賃収入の手取りを10万円と仮定した場合、上記のような支出が発生するため、予めそれらを加味しておく必要があります。

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4. 現実的な家賃の額を知る方法とは

現実的な家賃の額を知る方法とは

前述した方法は家賃の目安を知る方法であり、成約時の家賃は不動産会社に聞くことで現実的な家賃を知ることができます。不動産会社は過去の取引実績やデータベースを保有しており、エリアごとの家賃相場を把握しています。

ただし、不動産会社によっては、ワンルームマンション等の投資用物件の家賃相場は把握していても、ファミリー向け物件の取り扱いは少なく、データが少ないと考えられます。また、マンションと一戸建てでも多少家賃の考え方が異なる場合があります。

転勤時のように一時的にあらかじめ期間を定めて物件を貸し出す場合には、このような物件を専門的に扱うリロケーション会社など、実績のある会社に相談することをおすすめします。

物件の種別や賃貸に出せる期間によっても家賃の決め方は異なります。ポータルサイトで賃料の目安を確認できたら、正確な賃料を把握するために不動産会社に目的も伝えて賃料査定を依頼すると良いでしょう。

リロの留守宅管理では無料で賃料査定ができます。当社は40年以上の戸別賃貸管理実績があり、一戸建ての管理戸数割合も40%以上となっています。マンションはもちろん戸建の実績も豊富にありますので、家を貸すにあたり家賃を決める際にはご活用いただければ幸いです。

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5. 家を貸すときに家賃を決める簡単な方法

家を貸すときに家賃を決める簡単な方法

家賃の目安となるものや家賃を左右する条件について紹介してきましたが、具体的な家賃の目安を知りたい場合は、賃料査定を受けることをおすすめします。ポータルサイトで入居者募集されている物件は、賃料査定をもとに家賃を決めているものがほとんどです。

実際に賃貸をうまくいかせようと思った場合、賃貸事例比較法で求めた現時点での相場に対して、相場を吊り上げてでも賃料の高額化を狙うことや、逆に安めの賃料に設定して他の物件より入居者募集を有利に進めること、これらを戦略的に考えることで募集時の賃料を決定しなければなりません。

5-1. 賃料査定のメリット

一般的に、不動産会社は妥当な家賃を算出するために過去の相場などの情報とノウハウを持っており、賃料査定を依頼すると目安となる家賃を教えてもらうことが可能です。

エリアや広さなどの物件の特徴や賃貸契約の方法、貸し出し期間などの貸し出し条件が近しい物件の取引事例があれば、その家賃を目安として活用することができます。また、駅からの距離や築年数を重ねるごとの家賃相場の変動など、これまでの取引データが活用されるため、不動産会社が行う賃料査定では、より正確に家賃の目安を算出できます

5-2. 賃料査定時に気を付けたいこと

賃料査定を依頼すれば、家賃の目安を知ることができますが、物件を希望に近い条件で貸し出すためには、賃料査定時にどのようなことに気を付けるとよいのでしょうか。

複数の会社に査定を依頼する

賃料査定を複数の不動産会社に依頼することも多いですが、それはより高い査定額を提示する会社を見つけるためではありません。査定額は会社によって算出基準が異なる場合があります。査定額の算出の根拠を確認し、複数の査定結果を比較することで、会社ごとの考え方だけでなく、管理のサービス内容も知ることができます。

提示された査定額に込められた意味を確認する

家賃の査定額は、幅を持たせて提示されることもあります。査定時には「できるだけ早く貸し出したい」「賃料収入を重視したい」といった貸主の希望も伝えることで、募集時の実際の賃料設定についても提案がなされる場合が多いです。

複数の不動産会社に家賃の査定を依頼する際には、提示される査定額だけでなく、どの会社、どの担当者の提案が自分の考えを正確に反映できた納得できるものであるかを見極め、希望の貸し出しを実現できる提案をしている会社を選ぶことをおすすめします

自分自身で不動産会社を調べる

一括査定サイトは、一度にまとめて依頼できるので時間短縮になりますが、多くの不動産会社から連絡があり、都度の対応や各社から聞いた内容の整理など煩雑になります。最終的には依頼して問題ない会社かであるか調べることと思いますので、それならば最初から自身で信頼できそうな不動産会社や賃貸管理会社を探すことをおすすめします。

会社を選ぶ際のポイントは賃貸管理の実績が多いこと、サポート体制がしっかりしているなどが挙げられます

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期間を限定して貸し出したい場合は、実績のある会社に依頼を

転勤の期間だけ物件を貸し出すリロケーションを利用したいと考えている場合は、リロケーションの実績を豊富に持つ会社に依頼することも重要なポイントです。貸し出す際の家賃は、貸し出しできる期間によっても変わります。期間限定で貸し出す場合には、どのくらい貸し出す予定でいるのか、想定している貸し出し期間についても情報共有しておきましょう。

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6. まとめ

この記事では、家を貸し出す時の家賃の決定方法について紹介しました。

家賃の目安は、物件の人気や希少性、市場の相場によって変動します。ご自身で不動産ポータルサイトを使って似たような物件の家賃を調べると、ある程度の家賃の目安を知ることが可能です。より正確に妥当な家賃の額を知りたい場合には、不動産会社に賃料査定を依頼するとよいでしょう。

賃料査定は無料で依頼できることが一般的です。複数の会社に査定を依頼するときは、査定額だけでなく査定方法や提案内容を比較してみると会社ごとの違いを理解することができます。特に期間を限定して貸し出しを検討している場合には、リロケーションの実績が豊富な会社に依頼することがおすすめです。

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この記事の編集者

リロケーション・ジャパン

転勤期間中の留守宅を賃貸管理する「リロケーションサービス」のパイオニアとして、1984年より、多くの転勤者の持ち家の賃貸運営をサポートしてきた賃貸管理会社です。
これまでの実績をもとに、宅地建物取引士や賃貸不動産経営管理士が監修した賃貸運営に役立つ情報を、賃貸が初めての方にもわかりやすくお届けします。
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