「転勤が決まったけれど持ち家を売却したくない」
転勤中の持ち家の悩みについて、売却はもっともシンプルな方法として紹介されていますが、思い入れのある家や、親から受け継いだ家などを簡単に手放すことは難しいかと思います。また、「売らずに済む方法を探してみたものの、親族へ空き家の管理を頼むことが難しい」「事情があって転勤中に家を貸すことが難しい」といったケースもあると思います。ここでは、転勤時の持ち家を売らずに管理していくための解決方法を解説します。
持ち家を売らずに管理していくための一般的な方法は次の4つです。
住宅ローンを返済中の場合、住宅ローン控除の適用を受けている方も多いと思います。これらの4つの方法のうち、単身赴任の場合は本人が居住していなくても住宅ローン控除を適用できますが、それ以外の場合は、退去した年から控除を受けられなくなりますので注意が必要です。一定の条件を満たせば再適用を受けられる場合もありますので、転勤前に必ず確認しておきましょう。
持ち家を手放したくないと考えている方は、持ち家を空けることを懸念しながらもすでに家族とともに赴任先に行くことを想定しており、単身赴任は選択肢の中にないかもしれません。また「親戚に空き家管理を委託する」ことは、近くに住んでいる方がいないと難しいでしょう。
そこで今回は「空き家管理サービス」と「持ち家の賃貸」の2つについて、メリットやデメリットをご紹介します。
空き家管理サービスとは、しばらく住む予定のない「空き家の維持・管理」を有償で代行するサービスです。具体的な内容は次の通りです。
定期的な巡回が行われるため、不法投棄や不法侵入があった場合でも早期発見が期待できます。手入れのされていない空き家は、犯罪の温床として狙われやすいです。メンテナンスとして通水や換気、清掃などが行われることも防犯対策となります。
ほとんどのサービスでは、決められた時期までにあらかじめ連絡することでサービスを停止できるため、帰任はもちろん、一時帰国の際も住み慣れた自宅に滞在することができます。
空き家管理サービスでは、プロに空き家の管理を任せることができます。管理の手間を軽減できることはもちろん、空き家の状態に合わせて適切なメンテナンスが受けられるため、家の劣化を遅くすることが可能です。
空き家管理サービスの利用には、費用がかかります。毎月数千~1万円程度ですが、年間では10万円以上になることもあるでしょう。転勤は年単位のため、積み重なると大きな費用になります。
持ち家の住宅ローン、空き家管理サービスの費用、転勤先の家の家賃と3重に費用が掛かることとなります。ただし、転勤の場合は手当や補助が受けられることもありますので、勤務先の制度を確認してみましょう。
多くの空き家管理サービスでは、月に1~3回程度物件を巡回して換気や通水を行いますが、基本的には巡回以外の期間は無人となってしまいます。費用を払って管理を委託していても、ポストのチラシの状況や庭木の状態によっては空き家とわかってしまい、不法投棄や不法侵入などのターゲットとされる可能性があります。
空き家管理サービスでは、一時帰国や帰任などに合わせて柔軟に対応しながら持ち家を維持管理できるというメリットがある一方、費用や常時管理することは難しいというデメリットがありました。空き家管理サービスほどの柔軟さはないものの、これらのデメリットを補い、特に金銭的メリットが大きいのが「持ち家を貸す」という選択肢です。
家を貸すことで賃料収入を得られるため、住宅ローンや転勤先での住居費を補填することができます。なかでも分譲マンションは構造や設備等のクオリティも高く、共用部分の管理もしっかり行き届いているため、一定の賃料が期待できるでしょう。
転勤期間中に限定して賃貸を行えば、帰任時に慣れ親しんだ場所に戻ることができ、家探しの手間や心的ストレスを減らすことができます。
入居者が生活していくなかで定期的に換気や清掃が行われるので、費用をかけて空き家管理サービスを利用しなくとも、持ち家が維持管理されます。
空き家は、犯罪の温床として狙われやすいです。人が住んでいることで、不法投棄や不法侵入、放火などの犯罪に巻き込まれるリスクを抑えることができます。
住宅ローンの金利のほか、固定資産税や都市計画税、リフォーム費用なども経費として計上できます。経費は所得から控除されるため、所得をもとに算定される所得税や住民税を抑えることが可能です。
転勤期間中だけ家を貸し出す場合は、「転勤による一時的な貸し出しであり、帰任後はまた居住する予定である」ということを金融機関に伝え、住宅ローンの継続が可能かどうかを相談してみましょう。
住宅ローン控除は、ローン利用者本人が居住していることが適用条件となっているため、空き家となる場合同様、控除を受けることはできません。ただし、転勤などの理由による場合は、再び住み始めた場合に適用が受けられることもあります。事前の手続きが必要となりますので、必ず確認をしておきましょう。なお、賃貸を行っていた年度は再適用できませんので注意が必要です。
辞令から1か月後に帰任予定となるなど、急に帰任が決まった場合、入居者にすぐに退去してもらうことはできません。その際は、一時的な住まいが必要です。
なお、入居者に退去してもらうまでの期間は契約方法によって異なり、契約によっては入居者から退去の申し出があるまでは解約が難しい場合もあります。当社では、一時使用賃貸借契約を用いて、帰任の3ヶ月前に解約予告を行うことで、貸主から解約できるプランをご用意しています。
賃貸を行うために、入居者募集のために室内を整えます。ハウスクリーニングやクロスの張替えをはじめ、設備が古くなっている場合や壊れている場合は修繕を行うなど、家賃収入を得るための先行投資が必要となります。
しっかりと入居前に審査を行っても、家賃の滞納や退去費用でのトラブル、近隣からのクレームが発生することもあります。賃貸借契約締結前の審査はもちろん、トラブルが発生した際の対応について、管理会社や不動産会社に事前に確認をしておくことが大切です。
転勤は期間が限定であることや、帰任が未確定であることなど、「持ち家を貸すにしても本当に貸せるのだろうか?」と不安に感じる方もいるかと思います。転勤の場合に絶対に抑えておきたい、「一時使用賃貸借契約」についてご紹介します。一般的にはあまり使われませんが、 一時的な使用を目的として結ばれる賃貸借契約で、以下のような方に最適な契約方法です。
一時使用賃貸借契約 | |
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メリット |
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デメリット |
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一時使用賃貸借契約は、経験やスキルが必要で不動産会社の手間も多いので敬遠されがちな契約方法です。
転勤時の賃貸「リロケーション」を扱っている会社では、定期借家契約を用いる会社が多く、一時使用賃貸借契約を扱っている会社はほとんどありません。
当社は「転勤者が抱えるマイホーム問題」を解決するため、1984年に「転勤者の留守宅管理サービス(リロケーションサービス)」を日本で初めて事業化いたしました。「リロの留守宅管理」には、契約内容や転勤者を守るための様々なオプションなど、他にはないきめ細やかな対応が特徴であり、一時使用賃貸借契約を用いた転勤者専用プランもご用意しています。
転勤に際し、持ち家を貸し出す場合まずは「どれくらいの家賃になりそうか」を知ることが重要です。当社では無料の賃料査定を行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
転勤時に持ち家を売らないで活用する方法として「空き家管理サービスの利用」と「家を貸す」という2つの選択肢についてお伝えしました。
賃貸 | 空き家管理 | |
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メリット |
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デメリット |
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「持ち家に愛着があるから手放したくない」「帰任後戻ってきたい」と考えているなら、家賃収入が見込めて、空き家管理も同時に行われる賃貸が、転勤時の持ち家活用方法としておすすめですが、それぞれのメリット、デメリットを理解し、状況と照らし合わせて検討しましょう。
なお、住宅ローンを利用している場合は、家を貸す場合に金融機関への相談が必要です。また、転勤中に限って家を貸す場合には契約方法にも注意してください。あらかじめ定めた期間のみ貸し出す「定期借家契約」または「一時使用賃貸借契約」を利用しましょう。
当社ではこれらの契約を含む賃貸管理サービス、空き家管理サービスを取り扱っております。また、賃貸中に状況が変わり、売却したくなった場合も転勤時の持ち家の管理についてお悩みの際は、ぜひ「リロの留守宅管理」にご相談ください。
カテゴリ:転勤 関連記事
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