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更新日2024年10月10日

古い家でも貸せる?知っておきたいポイント

古い家でも貸せる?知っておきたいポイント

ご両親から相続した古い家などを貸し出そうとした時、「こんなに古い家だと、誰も借りてくれないのでは?」と思われるかもしれません。古い家は貸し出すことはできるのでしょうか?結論、工夫次第で古い家を貸すことはできます。

そこで今回は、古い家を貸す前に知っておくべきことや、貸し出す際の注意点をはじめ、古い家を貸すメリット、デメリットについても解説します。

一戸建ては未だに人気の住宅形態

一戸建ては未だに人気の住宅形態

令和3年度「土地問題に関する国民の意識調査」の概要について』では、「今後望ましい住宅形態」という質問が設けられました。結果は「一戸建て」を望む声が54.4%で一位。過去10年で見た場合には減少傾向にあるものの、現在も一戸建てが人気であることが分かります。

今後望ましい住宅形態

なお、東京圏の場合であっても48.3%、大阪圏においては52.9%と約半数以上の方が一戸建てを望んでいます。人口規模別に見てもそこまで結果に差がないことは、一戸建ての根強い需要を表していると言えるでしょう。

上記の結果から考えると、古い家であっても一戸建てであれば住まいとしてのニーズは十分に見込めると考えられます。古い家だからといって、必ずしも入居者が見つからないとは言い切れません。

古い家を貸すメリットとデメリット

古い家を貸すメリットとデメリット

メリット

古い家を貸す際のメリットは、一戸建ての人気や賃貸市場における安定した需要により、家賃収入が得やすい点が挙げられます。築年数が経過している物件でも、生活空間としてのニーズは存在し、新たな入居者を求める市場があるといえます。

デメリット

古い家を貸す際のデメリットとしては、古い物件特有のメンテナンスの手間やリフォーム費用がかかる点が考えられます。劣化した設備や耐震性への不安があるため、貸し出しの際にはリフォームや修繕が必要なことも多く、これらが負担となる場合があります。

ただし、これらのデメリットは必ずしも悪い側面ばかりではありません。快適な居住空間を入居者に提供できることは家賃に反映させることができ、他よりも競争力のある物件として生まれ変わり、費用の回収を早めることにもつながります。

古い家を貸す前に知っておくべきこと

古い家を貸す前に知っておくべきこと

古い家を貸すにあたっては、いくつかのポイントを把握しておくことが重要です。

まず、第一に耐震性や配管の状態など、住居としての機能が問題ないか物件の状態を確認しましょう新耐震基準に適合しているかなどの築年数による法的基準や地域のニーズを把握することも大切です。

また、物件がどのような市場価値を持つかも調査し、適切な家賃設定をすることが重要です。さらに契約手続きや必要書類についても理解しておくと、スムーズな賃貸運営が可能となります。

これらの情報をもとに実際に貸し出すことができるかを確認し、貸し出す方法を明確にすることで賃貸におけるシミュレーションにもつながることから、古い家を貸す前に知っておくべきこととなります。

リロの留守宅管理に問い合せをいただくお客様の場合、1番多い築年数は、0~10年で21%、次いで11~20年が18.7%と、約4割のお客様が築20年までの物件をお持ちです。一方で、築年数が30年以上の物件を持つお客様も3割ほどいらっしゃいます。下記、図のように築31~40年は12.1%、41~50年は11.3%となっています。

当社賃料査定をご利用いただいた物件の築年数

集計期間:2023年4月~2024年9月30日

古い家を貸すときは耐震基準に注意する

古い家を貸すときは耐震基準に注意する

古い家を貸すときに注意しておきたいのが耐震基準です。昭和56年6月1日以降に建てられた建物は、新耐震基準と呼ばれる構造基準をもとに建築されています。一方、これ以前に建てられたもののなかには、旧耐震基準の構造基準で建築されたままの建物も存在します。

震度6を想定した新耐震基準に対し、旧耐震基準が想定するのは震度5強です。近年では東日本大震災をはじめ震度7を記録する地震も記憶に新しく、旧耐震基準の家を借りることに不安を覚える方も多いでしょう。また、不動産会社としても地震に対するリスクを重く見ている傾向にあります。実際には旧耐震基準のまま留守宅を貸し出すことは可能ですが、万が一の際を想定し、新耐震基準に適合する耐震リフォームを行ってから貸し出す方が良いでしょう

自治体の補助事業も活用

もしも新耐震基準に適合した工事が行われていないのであれば、できる限り早く対策を考えるべきです。そもそも一戸建ては、自他問わず人住むための家、安全確保は最優先事項とも言えるでしょう。

なお、耐震診断や改修工事のための助成金融資制度を設けている自治体も多々あります。改修工事を行う場合は、こうした補助事業を積極的に活用しましょう。

参考:令和6年度区市町村の耐震化促進事業に係る助成制度一覧[東京都耐震ポータルサイト]

立地面で賃貸ニーズがあるかを確認

立地面で賃貸ニーズがあるかを確認

古い家を貸す際には、賃貸ニーズの把握が不可欠です。市場調査を行うことで、どのような物件が求められているのか、具体的な情報を得ることができます。地域の賃貸相場や状況を調査し、自分の物件がどのように位置づけられるのかを分析すると良いでしょう。市場の動向に目を向けることで、適切な賃貸戦略を練ることが可能になります。

例えば、駅からの距離周辺環境(商業施設や学校、病院などの施設など)は大きなポイントです。

明らかに賃貸需要がないという地域の場合は、無理に貸すことにこだわらず、空き家管理サービスなどを検討するのもおすすめです。

立地面から賃貸ニーズがあるかどうかは当社でもお調べできますので、お気軽にお申し付けください。

立地の重要性を考える

令和5年度「土地問題に関する国民の意識調査」の概要について』からは、立地は入居者を引きつける大きな要因の一つであることがわかります。日常の買物など、生活の利便性が高い所にある物件は、特に人気が高くなります。最寄り駅やバス停までの距離、買い物ができる商業施設、学校や病院などの生活施設の有無は、居住する上での利便性を大きく左右します。

また、同意識調査では治安の良さも重要であることがわかります。家族向けの物件であれば、子供の安全や地域コミュニティの活発さが入居者の関心を集める要素となります。

物件の立地の魅力を十分に活かすことで、賃貸市場での競争力を高めることが可能となります。利点をしっかりとアピールし、質の高い居住空間としてのイメージを打ち出すことが大切です。古い家であっても、立地や周辺環境次第で貸し出すチャンスは十分にあります。

参考:令和5年度「土地問題に関する国民の意識調査」の概要について[国土交通省]

入居者層の分析

古い家を貸す際は、ターゲットとなる入居者層を分析することが重要です。賃貸需要は地域や立地によって異なります。例えば「ファミリー」「高齢者」「単身者」と分類すると、それぞれへのアプローチは異なります。

ファミリー層を意識した場合、周辺の学校や公園が近いことがプラス要素になります。高齢者向けであれば、バリアフリー化や近隣に医療施設が多いことが求められるでしょう。単身者は、利便性が高く、流行のインテリアや共有スペースが充実していることが魅力的に映ります。

このように立地における潜在的な入居者の希望を意識しつつ、自分の物件の長所を評価することで、効果的な募集活動につなげられ、申込数を増やす手助けになるでしょう。貸したい持ち家の立地、周辺状況を再度確認し、それらを賃貸管理会社とも相談することで、より良い募集方法が見付かるでしょう。

大切なのはリフォーム・リノベーション歴

大切なのはリフォーム・リノベーション歴

古い家を貸す際、ニーズは十分だとしても、やはり住まいとしての機能に問題があれば入居者は決まりにくくなります。特に内装や設備の古さが気になる場合は、借主の関心を引くために改善が求められます。外観を整えることも重要で、例えば塗装や庭の手入れをすることで魅力を高めることができます。

しかし、リフォームの際には予算の設定が重要です。無理のない必要と思われる範囲で行うことで、効果を最大化することが可能です。これらは賃貸管理会社に相談することで、適切な提案が受けられるでしょう。物件の特性を生かしつつ、防犯設備など現代の生活スタイルに合った生活空間にすることが大切で、このような取り組みは、古い家の貸し出しを成功させる大きな一因となるでしょう。

古い家をリフォームする時のポイント

古い家を貸すにあたってリフォームやリノベーションを行う際には、いくつかのポイントがあります。

まずは内装です。壁や床の状態を見直し、汚れや傷を取り除くことが重要です。特に、キッチンや浴室は賃貸物件において重点が置かれるため、小規模な改修を行うと良い結果を得やすくなります。

次に、設備の点検です。エアコンや給湯器の動作を確認し、必要に応じて修理や交換を行うことで、住む人の利便性が向上します。また、安全面でも老朽化した配電盤やガス設備のチェックが必要です。

外観も忘れずに手入れをしましょう。庭や外壁の状態が良ければ、第一印象が大きく変わります。全体的に手を加えることで、競争力のある賃料設定が可能となるでしょう。

費用と効果のバランス

古い家を貸し出す際には、コストと効果をしっかりと考慮する必要があります。修繕やリフォームにかかる費用を抑えつつ、できるだけ魅力的な物件にすることが求められます。そのためには、優先順位をつけることが重要です。例えば、キッチンや浴室、トイレなど、リフォーム箇所を使用頻度の高い場所に限定することで、効率よく居住環境を向上させることができます

さらに、地域の賃貸相場を調査し、先述の通り地域の特性によりご自分の物件の位置付けを明確にすることも大切です。これにより、過剰な投資を避けつつ、適正価格での貸し出しを実現できます。

古い家でも、魅力を引き出す工夫次第で入居者を惹きつけることが可能です。リフォームの範囲を決めるには、賃貸管理会社に相談した方が適切です。賃貸管理会社は周辺の賃料相場から工事と見込める家賃のバランスを考えて物件の状況に合った適切な提案がされるでしょう。

適切な家賃設定

適切な家賃設定

古い家を貸す際には、適切な家賃設定が重要です。周辺地域の家賃相場を調査し、類似の物件と比較することで、競争力のある家賃を見つけることが必要です。地域の需要や物件の状態なども考慮するべき要素です。

リフォームやリノベーションを行った場合、それらの費用を反映させたバランスの取れた家賃設定をしないと費用回収が遅れます。

古い家を貸すときの家賃の設定基準

古い家の家賃を設定する際は、類似物件の設備、リフォーム時期などが評価のポイントとなります。さらに築年数や内装の状態に応じて、多少の価格調整を行うことで、物件の魅力が一層引き立つでしょう。

また、入居条件に柔軟性を持たせると、より多くの問い合わせが期待できます。例えば、「ペット可」という条件の物件は需要に対して供給が少なく、さらに頭数やペットの種類を広げると入居者候補が広がります。他の物件と差別化することで、相場より高めの家賃での貸し出しも期待できます。需要がありそうな条件を設定することで、良い入居者を見つけられる可能性が高まります

古い家を貸す際は初期投資を行う場合も多くあるため、適正な家賃設定は安定した賃貸経営への第一歩です。

家賃相場の調査

周辺の家賃相場を調査することは、貸し出し価格を決める上で重要な過程です。地域や物件の特徴によって賃料は異なりますので、近隣の物件の賃料相場を把握することが必要です。実際の市場調査を行うために、賃貸管理会社や不動産ポータルサイトを利用するのが効果的です。綿密なリサーチを行い、適切な賃料を決定することが、成功への第一歩となります。

一人で調査をするのは手間や時間も掛かりますが、賃貸管理会社に賃料の目安を査定してもらい活用することで、簡単に行うことができます。慣れない作業から誤った調査結果としないためにも、賃貸管理会社を活用した方が、専門会社ならではの有益な情報も共有してもらえるので効果的です。

リロの留守宅管理では、無料賃料査定を行っております。お気軽にお問い合わせください。

一時的に貸し出す場合の賃貸借契約

一時的に貸し出す場合の賃貸借契約

古い家は親から相続するなど、将来的に自己居住を考える方もいるでしょう。このような一時的な貸し出しの場合は「定期借家契約」がおすすめです。

定期借家契約は、あらかじめ契約期間を決めておき、契約期間が満了すると契約終了となる契約方法です。普通借家契約では、入居者の希望に合わせて契約更新することとなりますが、定期借家契約では自分達が住むタイミングに合わせて確実に退去してもらうことができます。

なお、更新という概念はありませんが、双方が合意をすれば、新たに契約期間を決めて再契約をすることも可能です。

プロのアドバイスを受けて適切な対策と安定した賃貸運営

プロのアドバイスを受けて適切な対策と安定した賃貸運営

賃貸運営を考えるときは、長期的な視点が重要です。古い家でも適切に管理すれば、安定した収益を見込むことができます。そのためには、管理業務の効率化が重要となり、実績のある賃貸管理会社に委託することがポイントとなるでしょう。

日常の賃貸管理業務を委託することで、入居者からの問合せに適切かつ迅速な対応が期待できるほか、賃貸管理会社を通して入居者向けアプリを提供することで、入居者の満足度を向上させ、空室対策につなげることもできます。賃貸管理会社を活用することは、手間を減らし、効率的な賃貸運営が実現します。

物件の管理を依頼することは、賃貸契約や入居者の選定といった自身の手間を減らせます。また、古い家の場合、専門的な知識が求められることが多いため、プロの助けを借りることで安心でき、古い家を貸すことをよりスムーズに進められるでしょう。

まとめ

「築古物件は賃貸において敬遠されがち」というのは間違いではありません。しかし、地域に賃貸ニーズがあり、しっかりとリフォーム・リノベーションがなされていれば、そこに住みたいと考える方の数は格段に増えます。とくに新耐震基準が適用となる耐震リフォームについては、必ず実施されているかを確認しましょう。未実施の場合はこれを機に、不具合箇所の修繕と合わせて改修を行うことをおすすめします。

当社では、それぞれの建物に合わせてリフォームを含めた賃貸に向けてのご提案を差し上げます。築古物件の貸し出しをご検討中の方は、ぜひ当社までお問い合わせください。

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