リロケーションは、いつかは戻ってくる留守宅を転勤中に賃貸するのに最適な方法です。転勤中に家賃収入が得られることは、賃貸人にとって大きなメリットと言えるでしょう。
一方、借り手側にとってもリロケーション物件には多くのメリットがあります。デメリットと合わせて、借り手側から見たリロケーション物件の魅力を解説します。
まずはメリットから見ていきましょう。費用や住み心地など、リロケーション物件は他の賃貸物件に比べて、借り手側にさまざまなメリットがあります。
一般的な賃貸物件で結ばれる普通借家契約では、更新手数料が発生するケースが多い傾向にあります。請求される金額は契約によって異なりますが、2年更新が一般的なのでその都度更新手数料を支払わなくてはなりません。
一方、リロケーション物件は原則更新がありませんので、更新手数料は不要です。たとえば4年間のリロケーション物件と普通借家契約をそれぞれ12万円の家賃で借りた場合、総額で以下の差が生まれます。
総額 | 実質家賃(単月) | |
---|---|---|
普通借家契約 |
|
588万円÷48カ月=12万5千円 |
リロケーション物件 |
|
12万円(単月の家賃のみ) |
差額 | 12万円 | 5千円 |
このように、借り手側にしてみればリロケーション物件のほうが普通借家契約に比べて更新手数料分お得という計算になります。単月で見た場合にも少なくない差額が生まれるため、メリットとして映るでしょう。
コストの面で言えば、賃料でも借り手側のメリットがあります。リロケーション物件では、一時使用賃貸借契約、もしくは定期借家契約という契約方法が用いられます。これらはいずれも貸し手側が有利な契約とされているため、賃料を相場よりも安くすることでバランスを取るのが一般的です。
しかし、契約方法にこだわりのない人(借り手側)にとってみれば、単に“普通借家契約よりも家賃の安い物件”として映ります。結果として、お得な賃貸物件と認識してもらえます。
リロケーション物件の多くは、マイホームとして購入された注文住宅や分譲住宅です。賃貸用として建てられたものではないので、比較的しっかりとした造りに仕上げられている傾向にあります。また、設備も整っており、同程度の家賃の賃貸住宅に比べてグレードの高さが魅力に映ります。
リロケーション物件には戸建てが多いという点もポイントです。これまでアパートやマンションに住んできたという人にとって、賃貸であっても戸建てに住めるのは貴重な経験です。「将来的に戸建てのマイホームを買いたいと思っているけれど、その前に一度、一軒家に住んでみたい」と考える人にとっては、大きな魅力に感じられます。
当たり前ではありますが、リロケーション物件は賃貸なので最終的に引っ越しができます。しかし、マイホームとして建てられたグレードの高い物件に住むためには本来購入が必要であることを考えると、賃貸で借りられて、最終的に引っ越しができるという点をメリットに感じる方もいらっしゃいます。
リロケーション物件は一般の賃貸物件よりも数が少ない傾向にあります。上記のような点をメリットに感じる人が一定数いることを踏まえると、需要が多く供給が少ない状況とも言えるでしょう。結果として、希少価値が高まり人気物件になるケースも少なくありません。「掘り出し物を見つけた」と感じてもらえれば、それも借り手側のメリットになります。
リロケーション物件のオーナーは“転勤中の留守宅を貸したい人”です。一般の賃貸物件の多くのように不動産投資家や企業ではありません。しかし、ほとんどの場合はリロケーション会社が管理を行っているので、通常の物件と同等の管理体制が整っています。「リロケーション物件だから管理が行き届いていないのでは?」といった心配もありません。
借り手側にとってメリットも多いリロケーション物件ですが、デメリットも少なからず存在します。
たとえば、契約期間の期限があるため、リロケーション物件に思い入れができてしまっても永住はできません。また、契約満了日までに明け渡しをしないと、違約金が発生するケースもあります。そのため、退去日・解約日の通知が来た場合には、次の住み替え先を探さなくてはなりません。
こうしたデメリットがあるからこそ、更新手数料がかからなかったり、賃料が安く設定されていたりすることを、借り手側には理解してもらう必要があります。
リロケーションは貸し手側にも借り手側にもメリットのある賃貸の方法です。両者の利益が一致すれば、非常に有益な賃貸契約となるでしょう。転勤中の留守宅を一時的に賃貸に出したいとお考えの方は、ぜひ当社までご相談ください。
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