大切な自宅を貸すのであれば、誰であれ可能な限りの家賃収入を得たいと思うものです。そこでポイントになるのが空室リスクです。どれだけ高い家賃が取れる物件であっても、空室期間が長くなればトータルの収益は減ってしまいます。そこで今回は、家の賃貸における代表的な空室リスク対策をまとめました。
入居者の経済的負担を下げることは、入居確保において大きな効果をもたらします。しかし、賃料を減額してしまうと収益の大幅なマイナスとなるためできる限り避けたいところ。そのため、まずは一時金の減額やフリーレントといったサービスの提供から検討してみましょう。
入居希望者にとって、敷金や保証金、礼金、権利金といった初期費用は大きな入居ハードルのひとつです。この額を引き下げることで、入居希望者の負担を軽減する施策です。ただし、これらの金額は不動産管理会社側で最低金額を決めている場合があるので、その額以下には設定できない場合があります。
入居から数カ月分の賃料を0円にするサービスを、フリーレントと呼びます。入居者から見るとトータルの住居費が安くなるため、お得感を演出できます。ただし、入居期間が短くなると、オーナー様に入るトータルの収益が少なくなってしまいます。
自宅を賃貸に出す場合は、トラブルなどを避けるために以下のような条件を設ける方もいらっしゃいます。
◆ 外国人の入居者はお断りしてほしい
◆ ルームシェアでは使ってほしくない
◆ 事務所としての利用は避けたい
しかし、募集条件を厳しくすればするほど、入居者確保は遠ざかるものです。そこで、まずは近隣の賃貸ニーズを調べてみましょう。たとえば上記の例で言うと、外国人の入居希望者が多いのであれば、その条件を外すといった見直しも大切です。
将来戻ってくる家を貸す場合には、「臭いや汚れをつけないでほしい」という考えから、ペットの飼育や喫煙を一律NGとされる方もいらっしゃいます。こうした条件を設けることはもちろん可能ですが、それによって空室期間が長くなってしまうのは考えもの。条件緩和によって入居を確保できるのであれば、検討の余地もあるでしょう。
なお、ペットの飼育や喫煙でついた臭いや汚れについては、最終的に原状回復でリフォームをすればよい、という考え方もあります。そのための費用については、状況次第ではあるものの入居者に請求できる場合があります。トータルの収支を考慮しながら、募集条件の見直しを図りましょう。
賃貸物件の募集広告は、基本的に賃貸管理会社が実施することなので、オーナー様が関わる部分ではありません。しかし、室内でアピールできる部分を撮影できる余裕があるのなら、その資料を事前に担当スタッフへ提供するといった協力はできるはずです。
また、自宅の“売り”がどこか、といった情報もぜひ積極的に共有しましょう。募集広告を作成する際、居住者だからこそ知り得るアピールポイントが盛り込めると、情報が充実してお問い合わせも確保しやすくなります。
経年劣化などによって建物や設備にダメージがある場合は、リフォームやリノベーションの実施も有効です。しかし、そこで長く暮らしていたご本人にとっては、何を改修すべきかは、なかなか分からないもの。判断の基準としては耐用年数のチェックなどもありますが、おすすめは賃貸管理会社のスタッフへの相談です。
賃貸管理のプロであれば、入居希望者がどのような点を気にされるかなどのポイントを熟知しています。そのアドバイスを聞いた上で、適切なリフォーム・リノベーションを施すようにしましょう。
リフォームの際には、合わせて入居希望者に喜ばれる設備の追加も検討してみましょう。たとえばファミリー向け物件の場合、以下のような設備が人気です。
◆ 風呂の追い炊き機能
◆ 宅配ボックス
◆ ホームセキュリティー関連
上記はそこまで高価ではないものの、物件の魅力付けとしては有効なものばかりです。周辺の賃貸ニーズに合わせて、最適な設備の用意を検討してみましょう。
このように、空室リスク対策と一口に言っても、その方法は多岐にわたります。今回ご紹介したのはあくまでもその一部。もっとも効果的な施策は、それぞれの物件によって異なるでしょう。
賃貸管理会社へ物件の管理を依頼すると、こうした対策へのアドバイスがもらえるというメリットがあります。エリアの賃貸ニーズを把握し、実際の入居者とコミュニケーションを取ってきたからこそ分かる知識・ノウハウを持つスタッフであれば、適切なアイデアを提案してくれることでしょう。空室リスク対策を考える際は、賃貸管理会社と協力し合いながら進めるのがおすすめです。
カテゴリ:家を貸す 関連記事
人気記事TOP5