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更新日2023年12月8日

マンションを貸すと儲かるのか?儲かる人と儲からない人の違いや収入を得る仕組み

マンションを貸すと儲かるのか?儲かる人と儲からない人の違いや収入を得る仕組み

マンションを貸すとあまり手間をかけることなく、家賃収入を得ることができます。そのため「マンションを貸して儲けるにはどのようにすれば良いのだろう」と、考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

マンションを貸して儲けるためには、儲かる仕組みを理解し、事前にシミュレーションし、儲かるかどうかを慎重に検討する必要があります。また、マンションを貸す際にはメリットだけでなく、どのようなリスクがあるかも事前に知っておくことが大切です。

今回は、マンションを貸して儲かる仕組みやポイント、リスク対策、シミュレーションンなどをご紹介します。

マンションを貸して儲かる仕組みとは

マンションを貸して儲かる仕組みとは

所有するマンションを貸し出して儲けるためには、家賃収入が費用を上回ると儲かるという基本的な仕組みを理解しておかなければいけません。この仕組みを理解し、費用を把握したうえで儲けるためにはどのくらいの家賃収入が必要になるのかを計算します

金融機関からの融資を受けて賃貸に出すマンションを購入した場合は、毎月の家賃収入をローンの返済に充てていきます。ローンの支払いを終えるまでは、家賃収入からローンの支払い等を差し引いた額が儲けになり、ローン完済後は家賃収入のほとんどが儲けです。

次項では、マンションを貸す上で具体的にどういった費用と収益があるのかを解説します。

マンションを貸すときに得られる収入と発生する費用

マンションを貸すときに発生する収入・費用は、次のようなものです。

マンションを貸した場合の収支

マンションを貸すと、入居者から毎月支払われる家賃や入居時に支払われる礼金、更新のタイミングで発生する更新料が収入となります。

一方、マンションの管理組合に支払う管理費や修繕積立金、ローンの返済費用、賃貸管理を管理会社に依頼した場合に必要となる管理手数料が費用となります。
そして収入から費用を引いた差額が儲けとなります。

つまり、マンションを貸して儲かるためには、費用となるコストをできるだけ抑えることが重要になることが分かるでしょう。また、家賃を設定する際にも、家賃から費用を差し引いたときに儲けが出るような額に設定しなければなりません。

マンションを貸して儲かるポイント

マンションを貸して儲かるポイント

ここまでマンションを貸して儲かる仕組みについてご説明しましたが、マンションを貸す人の全てが儲かるわけではありません。以下ではマンションを貸して儲けるポイントについて解説します。これからマンションを貸すことを検討しているなら、儲けを出すためにもしっかりと把握しておきましょう。

コスト管理の意識を高く持つ

コスト管理の意識が高い人は、マンションを貸すことでどのくらいのコストがかかっているか正確に把握しようとするでしょう。儲けるには、収入を増やすだけでなく、いかにしてコストを抑えて純利益を増やせるかが重要となるため、コスト管理は儲けるうえで欠かせません。

マンションを貸すことで得られる儲けを計算する場合、実質利回りを意識することが大切です。実質利回りとは、購入時の諸経費や年間の諸経費といったコストを含めて算出する利回りのことで、これを算出することでどのくらい儲けているのかを明確にできます。

年間を通じてかかるコストには、管理にかかる費用(修繕費など)や固定資産税などの税金が挙げられます。これらのコストを抑えるためには、適切なリフォームの実施や減税制度の活用が有効です。

初めてマンションを貸す場合には、具体的にどのようにコストを抑えていくべきかイメージが付きにくい方のほうが多いかと思います。そういった場合には、賃貸管理会社に相談するなどして適切なアドバイスを貰うことをおすすめします。

管理会社にはどういったサービスや保証があるのか、以下のページで詳細が記載されているので参考にしてみてください。

参考:「リロの留守宅管理」賃貸管理 サービス詳細

リスク回避のための対策をする

マンションを貸すことで収益が得られる反面、様々なリスクが潜んでいる点には注意が必要です。リスクには主に以下のようなものが考えられます。

  • 空室リスク
  • 入居者とのトラブルリスク
  • 修繕リスク

リスクによっては大きな費用が掛かるケースもあります。費用が掛かれば、その分だけコストはかさむため儲けが減ってしまうでしょう。特に個人で管理する場合には、対応するためのノウハウがなく、被害が大きくなって負担が通常よりも多くなってしまうというのも珍しくありません。

マンションを貸すときのリスクを回避するのに有効的な対策は、管理会社を利用することです。管理会社を利用すれば、これまでの経験やノウハウを活かした管理をしてくれるため、空室や入居者とのトラブルといったリスクが発生したとしても被害を最小限に対処してくれます。
また、賃貸管理会社によっては貸主を守るため様々な保証サービスを備えた管理会社もあります。それらを利用すれば想定外のリスクを回避できることから、余計な管理の手間が減ります。その他のアドバイスも的確にしてくれるため、リスクに対する安心感を得ることもできるでしょう。

空室期間を減らすための工夫をする

マンションを貸すのなら、空室リスクは必ずついて回ります。空室が続けばその分だけ家賃収入は減少するため、経費を差し引いた利益は減少してしまうでしょう。そのため、儲けるためには毎月安定して得られる家賃収入を確保することが最も重要と言えます。

安定した家賃収入を得るためには、空室を避けることが求められます。リフォームをして物件に魅力を持たせる」「法人とのつながりがある管理会社と契約して社宅として利用してもらう」などによって入居者を募ることがあげられるでしょう

ただ、これらの判断を全て自身で的確に行なうのは決して簡単なことではありません。意味のないリフォームなどは、コストを増やすだけで儲けを減らすことにも繋がってしまうでしょう。

ですので、自身で適切な判断ができない場合には、賃貸管理会社に基本的な運営は任せるなどして、プロの視点でマンションを管理してもらうのがおすすめです。

キャッシュフローを意識した資金計画を立てる

キャッシュフローとは現金の流れのことで、入ってくる現金と出ていく現金を意識した資金計画を立てることが儲けることに繋がります。儲けを出すためには、「マンションを貸して儲かる仕組みとは」で解説したように、家賃収入が費用を上回るようにしなければいけません

入ってくる現金(家賃収入など)と出ていく現金(固定資産税や管理費など)を意識して計画を立てることは、直接的に儲けを出すことの計画に繋がります。もし、入ってくる現金にリスク的な要素(空室リスクなど)が含まれるなら、そういった側面も踏まえた計画が必要になるでしょう。

つまり、理想的な資金計画だけを見て運営を試みるのではなく、様々なリスクを踏まえた上で、キャッシュフローを意識した資金計画を立てなければいけないのです。

キャッシュフローを意識した資金計画については、管理会社が様々な知識を持っていますので、相談してみると良いでしょう。

事前に綿密なシミュレーションを立てる

マンションをこれから貸すのなら、事前にシミュレーションは欠かせません。いくらの家賃収入が見込めるのか、どのくらいの出費が想定されるのか、といったことを全て想定したうえで細かく計算しないと、儲けを出すどころか赤字になることも考えられます。

先述した資金計画についてもそうですが、事前にどれだけ正確な計画を立てられるかが、儲けをどれだけ出せるかに影響します。そして、正確な計画を立てるためには物件の賃料査定が欠かせません。賃料査定を実施すれば、およその賃料が分かることから、費用と収入のバランスが分かりどのくらいの収益が見込めるのか、将来発生するであろう修繕にかかる費用は賄えるのか、などを踏まえた計算をすることで大まかな収益の予測が立てられます。

賃料査定がまだ済んでいない場合は、以下で無料査定が行なえますので試してみてください。賃料査定を実施し、物件の価値を確かめることが緻密なシミュレーションの第一歩となります。

マンションを貸して儲かるのはどんなケース?

マンションを貸して儲かるのはどんなケース?

マンションを貸して儲けるためには「儲かるケース」というものを知っておくと良いでしょう。以下で紹介する2つの儲かるケースを参考に、自身が運用する際の参考にしてみてください。

融資を受けてマンションを購入してから貸し出す場合、金利によっては負担が大きくなりすぎて十分な儲けを得られない可能性があります。受ける融資額にもよりますが、金利が0.5%違えば毎月の支払額が1万円くらい変わることもあるため、少しでも低い金利の融資先を探すことが大切です。

また、融資をこれから受ける場合は、そもそも銀行が融資してくれるかどうかも重要なポイントです。自身の収入や資産状況によっては、審査の結果で低い金利の銀行から融資を受けられない可能性があります。

儲けるためには、コストとなる返済の金利についてよく理解したうえでマンションを購入することが大切です。

マンションを貸して儲けるために重要なのは「金利」

マンションを貸して儲けるためには、融資を受ける際の金利も大きく影響します。賃貸経営を目的にマンションを取得する場合、利用できるローンは「事業用ローン」や「アパートローン」などです。ここでは、事業用ローンとしてご説明します。

住宅ローンの場合は、居住目的の不動産を取得する場合に借り入れるローンであるため、ローンは契約者の給与収入から返済されることになります。そのため、契約者がどのような仕事をしており、どのくらいの年収を得ているのかという個人の返済能力をもとに、借り入れできる額が判断されます。

一方、事業用ローンの場合、収益を目的とした不動産を取得するために借り入れるローンとなります。したがって、事業用ローンで受けられる融資額や金利は、契約者の勤務先や勤続年数、年収だけでなく、取得しようとする物件がどのくらい利益を上げられるものなのかも鑑みたうえで決定されます。

事業用ローンの金利は、融資を受ける金融機関によって異なり、一般的に都市銀行の金利は低く、ノンバンクの金利は高い傾向にあるのが特徴です。

<事業用ローンの金利相場の目安>
都市銀行 地方銀行 信用金庫
信用組合
ノンバンク
金利目安(年) 1%~2%程度 1.5%~4.5%程度 2%~3%程度 3%~4%程度

金利が違えば、同じ金額を借り入れたとしても毎月の返済額は変わります。

次の表のように、金利が高く、借入額が多くなるほど、毎月の返済負担は大きくなります。

融資期間30年・元利均等返済方式で4,000万円を借り入れた場合、金利1%の場合の毎月の返済額は128,655円ですが、金利が3%に上がると毎月の返済額は約4万円増えることが分かります。

<融資期間30年・元利均等返済方式で借り入れた場合の月々の返済額>
借入額 金利1% 金利2% 金利3%
1,000万円 32,163円 36,961円 42,160円
2,000万円 64,327円 73,923円 84,320円
3,000万円 96,491円 110,885円 126,481円
4,000万円 128,655円 147,847円 168,641円

したがって、マンションを貸して儲かるためには、金利の低い金融機関からローンを借り入れることや、頭金を増やして借入額を減らすことも考える必要があります。

また融資の際の金利には、「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。
固定金利は、一定期間は金利が動かないため、返済計画を立てやすいといったメリットがありますが、金利は高い傾向です
変動金利は年に2回、金利の見直しが行われ、金利が上昇すれば返済額が増えるリスクがありますが、金利は比較的低いというメリットがあります

固定金利と変動金利のいずれかを選ぶかによって、月々の返済額も変わるため、慎重に返済方法も選びましょう。

審査によっては低金利で融資が受けられない場合もある

前述したように、事業用ローンを利用してマンションを購入する場合、融資の金利によって毎月の返済額が変わってきます。単純に考えると、金利が低いローンを選んだ方が返済額は少なくなるため、その分儲けが多くなります。そうであれば、すべての人が、低い金利で融資を受けられる都市銀行を選ぶのではないでしょうか。

しかし、事業用ローンを利用するすべての人が、都市銀行からの融資を受けられるわけではありません。都市銀行は低い金利で融資を行っている点が大きな魅力ですが、融資の審査基準がその分厳しくなります。物件の収益性はもちろんですが、融資を申し込む人の年収についてもハードルの高い基準があるとも言われています。

そのため、都市銀行の融資審査に通らなかった場合は、都市銀行よりも金利は高くなってしまうものの、審査の基準が緩和されやすい地方銀行や信用金庫、信用組合、ノンバンクなども借入れ先として検討してみると良いでしょう。

もし、既に所有しているマンションを貸そうと考えている場合、住宅ローンを利用したままではマンションを貸し出すことはできません。居住を目的に取得したマンションを賃貸に出す場合には、住宅ローンを完済するか、事業用ローンへ借り換えなければなりません。

事業用ローンと住宅ローンの変動金利は、おおよそ以下のようになっており、その差は少なくないことが分かります。

<事業用ローンと住宅ローンの金利の違い>
事業用ローン 住宅ローン
変動金利 1~4% 0.47~0.78%

所有しているマンションを貸す場合は、住宅ローンを利用したまま貸し出しができない点に注意し、事業用ローンに借り換える場合の金利はどのくらいになるのか、あらかじめ金融機関に相談しておくと良いでしょう

ただし、転勤などの理由で一時的にマンションを貸し、賃貸終了後は再び居住する予定である場合は、住宅ローンの利用を継続したままマンションを貸せる場合もあります。その場合も、金融機関に相談してみることをおすすめします。

マンションを貸して儲けるには事前シミュレーションを

マンションを貸して儲けるには事前シミュレーションを

マンションは決して安価なものではなく、マンションを取得する際には高額な費用がかかります。高額な費用をかけてマンションを購入するからこそ、マンションを貸し出して儲けたいという考えは強くなるでしょう。

マンションを貸して儲けるためには、賃貸経営失敗のリスクを最小限に抑えられるように、利益が出せるかどうかの事前シミュレーションをしておかなければなりません。

シミュレーションは、マンションを貸すことでどのくらい儲けられるかを見極めるために欠かせないものであり、精度の高いシミュレーションを行えるほど成功すると言われています。

この収益シミュレーションは、次の2つで行うことが可能です。

それぞれの計算について、以下で解説します。

PERの計算

「PER」とは、Price Earnings Ratioの頭文字を取った言葉で「株価収益率」と訳されるものです。PERは株価の状況を判断する指標の一つとして用いられますが、マンションを貸す際には、マンション1戸あたりの収益力を判断する指標の一つとして利用されています。

つまり、マンションPERはマンションを貸したときに、何年で購入価格を回収できるかを示す数字であり、マンションPERが低いほど収益性の高い物件であると言い換えることができるのです
PERは、以下の式で求めることができます。

マンション価格÷年間賃料の合計=マンションPER

例えば3,000万円で購入したマンションの周辺の家賃相場を調べたときに、10万円の家賃で貸せる物件であると仮定します。

この場合のPERは

3,000万÷(10万×12)=25

となり、25年で元が取れるという計算になります。 また、4,000万円のマンションを15万円の家賃で貸す場合のPERは、

4,000万÷(15万×12)=22.22

となり、約23年で元が取れることが分かります。

この2つの物件を比較すると、4,000万円のマンションを15万円で貸す場合の方が、2年程度早く購入価格を回収することができ、収益性が高くなると判断できます。

マンションを選ぶ際にはPERを計算し、どの程度でマンション価格を回収できるのかを計算しておくと良いでしょう。

利回りの計算

利回りとは、マンションを貸すときに発生する年間の見込み収益のことです。利回りを計算することで、毎年どのくらいの儲けを出すことができるのかを知ることができ、利回りはパーセンテージで示されます。マンションPERとは異なり、数字が大きくなればなるほど多くの収益が得られ、儲けが大きくなることを意味します。
また、利回りには大きく分けて以下の2つがあります。

表面利回り

表面利回りとは、マンションの購入価格と家賃による収入だけを考えた利回りであり、マンションを貸すにあたって必要となる経費を考慮しない利回りです。表面利回りは、次の式で求められます。

年間収入÷マンション価格×100=表面利回り

3,000万円で購入したマンションを月10万円で貸し出した場合、以下の計算になります。

120万円÷3,000万円×100=4%

これは満室である場合で、空室が発生するとパーセンテージは低くなります。

実質利回り

実質利回りは、必要経費も考慮に入れた利回りです。年間収入からは、管理会社に支払う管理手数料やマンションの管理会社に支払う管理費・修繕積立金などの経費を差し引き、マンション購入時にかかった諸経費をマンション価格に加えます。実質利回りは次の式で求められます。

(年間収入-必要経費)÷(マンション価格+購入時の諸経費)×100=実質利回り

例えば、マンションを3,000万円で購入した際にかかった諸経費が100万円とします。そして、年間の必要経費(管理費)は50万円で、賃料を月10万円と設定した場合の計算は以下の通りです。

(120万円-50万円)÷(3,000万円+100万円)×=2.2%

実際にマンションを貸すときには、管理費や修繕積立金、管理手数料などの費用も発生するため、実質利回りの方が実態に即した利回りであると言えるでしょう。相続したマンションや自分が住んでいたマンションの場合は実質利回りで計算します。

利回りのシミュレーションを行う際には、実質利回りで計算することをおすすめします

また、利回りを計算する際には年間収入の値が必要となるため、家賃想定が出来ていない場合は「賃料の相場」を把握しておくことが求められます。コストや購入費を踏まえた上でのシミュレーションをしたとしても、立地や物件に適した賃料でなければ空室となるリスクが高いです。
そのため、事前に賃料の査定も行なっておき、その査定額を踏まえた上でリアルなシミュレーションを実施するようにしましょう。査定は以下で行なうことができるので、ぜひ利用してみてください。

マンションを貸す場合のメリット

マンションを貸す場合のメリット

マンションをこれから購入して、貸すことを検討している方は、マンションを貸すメリットについて把握しておきましょう。メリットを知っておくことで、実際にマンションを貸す魅力というものを知ることができます。メリットは以下の通りです。

入居者が継続的にいれば、安定した家賃収入を得られます。管理会社に委託してしまえば、最小限の負担で収入を得られるため、方法によっては大きな額を儲けることもできるでしょう。

また、マンションは現物であるためインフレ時の価値低下に対して強みを発揮します。お金の価値が下がっても、物件自体の価値は下がりにくいので、今後インフレ傾向になりそうな予測が立っている場合には、マンションを貸すことで収入を確保しながら資産として所有するのもおすすめです。

家賃収入を得られる

マンションを貸すことの最も大きなメリットは、一定の金額を家賃収入として、毎月得られることでしょう。賃貸管理を管理業者に委託する場合は、管理手数料の支払いが発生しますが、オーナーはほとんど手間や時間をかけることなく収入を得られます。

副収入を得る手段には副業をすることも考えられますが、副業の場合、仕事をすることで得られる収入であり、その分の時間と労力を費やさなければなりません。しかし、マンションを貸し出せば、副業のような時間と労力をかけずに儲けを得ることが可能です。

インフレリスクに強く景気の影響も受けにくい

インフレが進むとモノの値段は上がり、お金の価値は目減りします。そのため、インフレが進めばインフレ率の分だけお金の価値は減り、預貯金として持っている資産の価値も目減りしてしまいます。10年後にインフレにより物価が2倍になると仮定すると、現在は1,000万円で購入できるものも2,000万円出さないと買えなくなってしまうのです。

つまり、モノの値段が2倍になり、お金の価値は1/2になるというわけです。

しかし、マンションの場合は現物資産です。お金の価値が過度に低下したとしても、モノの価値はその時の状態などをベースに考えられるため、お金との価値と連動して価値が低下するリスクはそこまで大きくありません。家賃についても、物価上昇によって家賃を上げる物件が周辺に出てくれば、自身の物件の家賃を高めることができるでしょう。

ただし、注意点としてインフレ時は生活に困る人が増える可能性もあるため、家賃を上げることで入居者が減ってしまうことも考えられます。そのため、必ずしもお金の価値の低下に合わせて家賃の上昇が見込めるかというと、そうではないので注意してください。

自己資本だけでなく、他人資本を活用できる

株式投資をはじめとしたその他の投資法では、自己資金を使って投資します。しかし、マンションを貸す場合は、金融機関からの借り入れを使ってマンションを取得できるため、他人資本を活用できます。

例えば、自己資金1,500万円で1,500万円の物件を購入した場合、表面利回りを5%とすると年間の収入は40万円です。しかし、自己資金に2,500万円の借入を加え4,000万円の物件を購入した場合は、同じ利回りでも年間150万円の収入をえることができます。借入の金利を2%とした場合は年間利息が50万円であり、利息分を差し引いても75万円の儲けが出ます。

表面利回り5%の場合の賃貸収入

このように、少額の資金で大きな儲けを得られることを「レバレッジ効果」といいます。他人資本を利用して大きな利益を得られる点も、マンションを貸すメリットの1つです。

マンションを貸す場合のデメリット

マンションを貸す場合のデメリット

マンションを貸すメリットがある一方で、デメリットもあります。デメリットを把握することで、マンションを貸すことの価値について正しく理解することができるでしょう。デメリットは以下の通りです。

空室リスク、修繕費、金利時の上昇、これらはマンションを貸すことでかかるコストの増加に繋がります。対処・対策できるものは実施することで、これらのデメリットにおける負担は最小限に抑えることができるでしょう。

空室のリスクがある

マンションを貸す場合、入居者のいない空室期間が発生する可能性があります。入居者がいないということは当然、その間は家賃収入も得られません。

家賃収入を得られない期間もローンの返済は続くため、空室期間を短くすることが重要です。

空室期間を短くするための一つの方法として、法人への営業が得意・法人とのつながりがある管理会社を利用するといった方法があります。例えば、転勤が多い法人企業の場合、仮に入居者が転居することとなっても、新たに転勤の人が入社してその物件に再度、別の人が入居してくれる可能性があるでしょう。つまり、管理会社選び次第で、空室リスクを最小限に抑えられます。

老朽化に伴い修繕費用がかさむ可能性がある

マンションや設備は、時間の経過とともに老朽化していきます。そのため、設備が故障したり、室内が経年劣化したりした場合は、修繕費用がかかります。

マンションを貸し出す前には、いずれ修繕費がかかるタイミングが訪れることも想定し、費用を準備しておきましょう

費用の準備については、事前のシミュレーションで計算しておくことが大切です。もし修繕が必要となった場合、どのくらいの費用が掛かることが想定されるのかについては、管理会社に相談するなどして相場を把握しておきましょう。

金利が上昇する可能性がある

現在は低金利の状態が続いていますが、今後金利が上昇する可能性もあります。金利が上がれば、返済額も上がるため、儲け幅も減少します

金利が上昇した際には繰上げ返済ができるように、ある程度手元に資金を残すことも考え、余裕を持った返済計画を立てるようにすると良いでしょう。

マンションを貸す流れ

では、具体的にマンションを貸す場合には、どのような流れで手続きを進めるのでしょうか。マンションを貸すときの大まかな流れは、次のようになります。

マンションを貸す流れ

マンションを貸す際の詳しい手順についてはこちら。

マンションを貸す前に確認しておくべきこと

マンションを貸す前に確認しておくべきこと

マンションを貸すときの流れをご説明しましたが、実際にマンションを貸す前には次の点も確認しておくようにしましょう。

金融機関に融資の相談をする

事業用ローンを利用して、物件の取得をする場合、金融機関に融資の相談をしましょう。どのくらいの額の融資を受けられるのか、どのくらいの金利が適用されるのか、金融機関によっても審査の内容は異なります。

また、原則として住宅ローンを利用したまま貸し出しをすることはできません。ただし、転勤のために一時的に貸し出しをしたい場合などは、住宅ローンの継続理由が認められる場合もあります。その場合も金融機関に相談する必要があります

家賃相場を調査する

マンションを貸す前には、マンションのあるエリアで同じような条件の物件が、どのくらいの家賃で貸し出されているのか家賃の相場を調べておきましょう。家賃の相場を調べるなら、以下の記事で主要な都道府県別で相場を解説しているので参考にしてみてください。また、賃料の算出方法についても解説しています。

相場を知るには、インターネットを利用して周辺エリアの相場を調べる方法もありますが、不確定な要素もあるので先ずは賃料査定をすることで、周辺の物件を加味した概算の賃料が分かります。相場を調査するには、賃料査定を依頼することをおすすめします。

賃貸管理の手数料と内容を確認する

マンションを貸すときには、入居者からの問い合わせに対応したり、家賃を回収したり、退去時の手続きをしたりなど、入居者管理の業務が発生します。

貸し出すマンションが自宅から近い場所にある場合は、自分で管理を行うことは不可能ではないですが、専門的な知識が必要なケースもあるため、一般的には賃貸管理会社に業務を委託するケースが多いです。この委託には、手数料の支払いが発生します。

賃貸管理の手数料は管理会社によって異なり、管理手数料が安ければ安い方が良いというわけではありません。管理手数料に含まれる業務内容を確認し、業務内容と管理手数料のバランスを見て管理手数料が妥当な金額であるかを判断したうえで、信頼できる管理会社を選ぶようにしましょう

マンションを貸すのと売るのではどちらが儲かる?

マンションを貸すのと売るのではどちらが儲かる?

マンションを最初から所持している場合、貸す方法と売る方法の2通りの選択ができます。どちらが儲かるかについては、その時の状況によって全く異なってくるため、現状を正しく把握することが重要になってきます。状況を判断するうえで確認すべき項目は主に以下のようなものが挙げられます。

  • 物件の価値
  • 空室となる可能性
  • その時点での金利

例えば、物件の価値自体はほとんど無くても、入居者がすぐに集められる場合には、シミュレーションをして儲けられる家賃を設定のうえで貸した方が良いと言えます。

一方で、物件の価値があるにも関わらず、立地的に入居者が集まらない場合には売却を検討した方が良いかもしれません。ただしこのケースの場合、そもそも立地が悪いこともあって売却をすること自体も難しくなることが考えられます。そのため、場合によっては不動産会社に直接買い取ってもらう手段も視野に入れる必要があるでしょう。

また、買取を依頼する場合には売却相場よりも低い価格で買い取ってもらうことになる可能性が高いため、その点も踏まえて検討しなければいけません。

売却と貸出のどちらを選択するにせよ、現状を踏まえた長期的な計画とシミュレーションが必須であるため、よく検討することが大切です。貸す・売るに関するさらに細かい情報については、以下の記事でも詳しく取り上げておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

マンションを貸して儲かるためには、家賃収入がマンションを貸すために支払う費用を上回る必要があります。

しかし、利益を大きくしようと家賃を高く設定してしまうと、相場より高い家賃では入居者を獲得できない可能性が高くなってしまいます。入居者がいなければ、空室期間は収入を得られません。

マンションを貸して儲けたいのであれば、家賃は適正な額に設定しつつ、金利の低いローンを利用したり、サービスの内容に対して妥当な額の管理手数料を設定している管理会社を選んだり、できるだけ費用を減らすための対策を重視しましょう。

そして、マンションを貸して儲かるためには目先の利益を目指すのではなく、長期的な視点に立ち、10年後や20年後も含めた収益のシミュレーションをしっかりと行い、安定した収入を得ることを目標にしてください。

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