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更新日2024年3月12日

マンションを貸したい人必見!貸す手順や費用、注意点を解説

マンションを貸したい人必見!貸す手順や費用、注意点を解説

急な転勤などの理由で購入したマンションに住めなくなった場合、マンションを「貸す」という選択は、資産を活用するための有効な方法として考えられます。

この記事では、マンションを貸すときのメリット・デメリットや節税のコツ、貸す流れや知っておきたい注意点を紹介します。リスクを避けつつ資産を有効活用したい方は、このコラムをぜひ読んでみてください。

マンションを貸すメリット

マンションを貸すメリット

マンションを空き家のままにしたり売却せず、マンションを貸すときにはどのようなメリット・デメリットがあるのか、整理しておきましょう。

家賃収入を得られる

マンションを貸すことによる最大の恩恵は、家賃収入を得られることでしょう。本業による収入にプラスして安定した副収入が得られるため、生活費などに余裕が生まれ、住宅ローンが残っている場合には、返済資金に充てることもできます。本業の収入だけで返済するよりも、余裕をもって残債を減らしていけます。

賃貸終了後はまた住むことができる

マンションを売却することでも収入は得られますが、マンションを売却してしまうと、再び住みたいと思ったときに帰ってくることができません。住み替えなどで再び住む予定がない場合は問題ありませんが、転勤などで一時的に離れる場合であれば、売却よりも貸すことを検討する方が手軽で現実的です

節税できることがある

賃貸を行うと、家を貸すことで得た家賃などの収入から、貸すためにかかった経費を差し引いた「不動産所得」に対して、所得税や住民税が課税されます。給与所得などのほかの所得がある場合は合算し、控除などを適用した後の金額が実際の課税対象金額となります。

賃貸経営が赤字となり、収入から経費を差し引いた不動産所得がマイナスとなっている場合は、その分をほかの所得から差し引くことができ、所得税や住民税の対象となる課税所得を減らせます

そのほかの詳しい経費の内容やポイントは、5.マンションを貸した時にかかる税金で詳しくご紹介しています。

マンションを貸すデメリット

マンションを貸すデメリット

空室のリスクがある

入居者のいない空室期間は、維持費用だけがかかり続けます。空室リスクを減らすためには、家賃の減額や入居条件の調整、敷金・礼金などの見直しが考えられます。得られる収入は少なくなりますが、入居者が決まらなければ、これらの収入を得ることはできません。どの程度の調整を行うべきかについては、不動産会社にアドバイスをもらうとよいでしょう。

貸主としての管理の手間と費用が発生する

マンションを貸すときには、入居者の募集から契約手続き、賃貸中の管理業務などの様々な手間が発生します。しかし、これらの手間は管理委託料を支払うことで、賃貸管理会社にほとんどの業務を任せることが可能です

賃貸にかかる費用は、管理委託料に加えて、ハウスクリーニングや設備等のメンテナンス費用、修繕費などがあります。こちらも賃貸管理会社の保証サービスなどを活用することで費用を抑えることができます

住宅ローン控除の再開が翌年になる

住宅ローン控除とは、借入期間が10年以上の住宅ローンを利用している場合に、最大13年間所得税から控除を受けられる制度です。一時的に控除対象外となった場合でも、控除期間が残っていれば再び対象となった場合に控除を適用できます。

ただし、たとえ自分で居住していた期間があったとしても、賃貸経営を行っていた年は、住宅ローン控除を適用することはできません翌年から適用可能になります。

マンションを貸すときの流れ

では、どのような手順でマンションを貸すのか、入居者を見つけて契約を結ぶまでの一般的な流れを5つのステップで解説します。

  1. 賃貸管理会社を探す
  2. 賃貸管理会社を決める
  3. 契約の方法や家賃を決める
  4. 入居者を募集する
  5. 入居者と契約を結ぶ

賃貸管理会社を探す

賃貸管理会社はマンションを貸すうえで、頼れるパートナーです。依頼する会賃貸管理会社には、入居者募集から入居中の管理、退去時の手続きを任せることができます。マンションを貸すうえで、頼れるパートナーになります。依頼する会社を選定するにあたって、まずは賃料の相談と合わせて、サービス内容を聞いてみることから始めましょう

問い合わせのきっかけとしては無料の賃料査定がおすすめです。インターネット上で、間取りや築年数などの簡単な情報を入力することでおおまかな賃料を算出する「簡易査定」と、実際に物件を訪問し、経験や実績をもとに周辺環境や設備による影響を考慮した査定を行う「訪問査定」があります。まずは気になった会社に「簡易査定」を申し込むのが手軽で簡単です。査定依頼と併せて、気になったことを質問することもできます。

賃貸管理会社を決める

利用するサービスを見極める際には、料金の差だけでなく、各社の『サービス内容の違い』にも着目しましょう。具体的には「管理会社に任せられる業務範囲」「トラブルがあったときの対応範囲」などについて、各社のサービスを比較することが大切です。各社、様々なプランや保証サービスを用意しています。

賃貸を行う期間や、貸し出す目的など、自分の考えを事前にまとめておくことで適切なプランを案内してもらうことができるでしょう。

契約の方法や家賃を決める

賃貸管理会社を決めたら、契約の方法や家賃、入居条件などを設定しましょう。

マンションを貸し出すときの契約方法には「普通借家契約」「定期借家契約」「一時使用賃貸借契約」の3つがあります。それぞれの特徴の詳細は「6-1.賃貸借契約の種類に注意する」で後述します。

転勤中に限って自宅の賃貸を始める場合は、一時使用賃貸借契約を選ぶことができますが、サービスとして取り扱っていない会社も多いので、賃貸管理会社選びの際にも確認しておくことをおすすめします。

家賃や入居条件などについても、マンションの築年数や間取り、周辺の家賃相場などを考慮したうえで、賃貸管理会社にアドバイスをもらいながら設定します。家賃は賃貸管理会社による査定をもとに決めるとよいでしょう。賃貸管理会社が扱う物件データに基づく簡易査定に加え、訪問査定を受けることで「借り手がつきやすく、かつ安すぎない賃料」に近づけていきます。

入居者を募集する

家賃や入居の条件が決めたら入居者の募集を始めます。

家賃などの条件だけでなく、実際に住んでいないと分からないようなマンションや周辺環境の魅力があれば、賃貸管理会社に伝えておきましょう。入居希望者へのアピール材料になるかも知れません。

鍵は賃貸管理会社へ預けておき、入居希望者にマンションを内見してもらうのが一般的です。

入居者と契約を結ぶ

入居希望の申込みがあった場合は、入居希望者の審査を行い、問題がなければ契約を結びます。審査は賃貸管理会社や保証会社が、入居希望者の勤務先や年齢、収入状況、保証人の有無などをチェックしたうえで、そのマンション所有者が最終的な判断を下すのが一般的な流れです。

マンションを貸すために必要な費用

マンションを貸すために必要な費用

マンションを貸すためには、賃貸管理会社へ支払う委託費用、ハウスクリーニング費用等が必要に応じてかかります。ここでは代表的なものについて簡単に解説します。

マンションを貸す前にかかる費用

マンションを貸す前には次のような費用がかかります。

  • ハウスクリーニング費用
  • リフォーム費用

大がかりなリフォームが特に必要ないような場合も、必ずハウスクリーニングは行いましょう。部屋が汚れていると内見時の印象が悪くなり、入居に至らないケースもあるため、清掃業者に依頼して細かな部分まできれいにしておくことが重要です。

また、壁紙が剥がれていたり、設備が壊れてしまっていたりする場合は、入居者が問題なく生活できるように修繕が必要です。

予算に余裕がある場合は、物件の価値を高めるリフォームを行うことで、賃料を上げられる場合があります。

マンションの賃貸中にかかる費用

入居者が決まり、賃貸借契約を締結してから解約までにかかる費用は次の通りです。

  • 不動産会社への各種手数料
  • 設備等の修繕費用

賃貸中の管理は自分で行うことも可能ですが、日々の管理だけでなく近隣トラブルや家賃滞納といった問題にも自分で対応しなければなりません。管理手数料を払って賃貸管理会社へ委託しておけば、多くの専門知識と経験に基づき、トラブルが起こったときに適切な対応やアドバイスをしてもらえます

管理手数料はサービスの内容によって異なります。家賃滞納時の保証や一定額までの修繕費用を賃貸管理会社が負担してくれるなどのオプションサービスもありますので、賃貸管理会社選びの際は金額だけでなく、保証の内容やサポートの範囲について事前に確認しておきましょう。

マンションを貸したときにかかる税金

マンションを貸して一定の収入を得た場合、収入に対して次のような税金が課税されます。

  • 所得税
  • 住民税
  • 事業税(一定の事業規模以上の場合のみ)

課税対象となる金額は、マンションを貸して得た収入から貸すためにかかった経費を差し引いた額です。この金額が0円の場合は課税されません。

なお、不動産を所有することでかかる固定資産税や都市計画税は、賃貸中も引き続きかかり続けます。

課税対象となる金額は、マンションを貸して得た収入から貸すためにかかった経費を差し引いた額です。この金額が0円の場合は課税されません。

マンションを貸したときの税金について、詳しくは関連記事をご確認ください。

マンションを貸すときの注意点

マンションを貸すときの注意点

マンションを貸すと家賃収入が得られる等のメリットがある一方で、気をつけるべきポイントもあります。ここでは、特に注意が必要な次の3つについて詳しく解説します。

  • 賃貸借契約の種類に注意する
  • 住宅ローンが残っている場合は金融機関に必ず相談する
  • 適切な家賃や入居条件を設定する

賃貸借契約の種類に注意する

マンションを貸すときは、契約の内容がとても重要です。中でも、賃貸借契約の種類には注意しなければなりません。賃貸借契約には

  • 普通借家契約
  • 定期借家契約
  • 一時使用賃貸借契約

これら3つがあります。各契約の特徴は以下の通りです。

普通借家契約

普通借家契約は入居者側の住む権利が強く守られる契約方法です。普通借家契約では、契約期間を1~2年とすることが一般的です。入居者の意向があれば、基本的に契約は更新されます。貸主から契約を解除することは難しい契約となっています。

貸主からの契約解除には、正当事由が必要とされ、単に自分が住みたいので明け渡してほしいという理由では、契約解除できません。再び住む可能性がある場合や、転勤などで一時的に貸し出したい場合は普通借家契約ではなく、他の契約を用いた方が無難です

定期借家契約

定期借家契約は予め解約日を設定した上で契約を締結する方法です。契約時に契約期間の設定を行い、契約期間の終了とともに退去を求めることができます。ただし、解約日の1年から半年前の間に、事前に通知をしなければならない点には注意が必要です

設定する契約期間は任意ですが、1年未満の場合は需要が少なく、入居者を探すことが非常に難しくなります。そのため、入居者の需要も考慮して契約期間を設定しましょう。

一時使用賃貸借契約

一時使用賃貸借契約は、転勤中だけ貸し出したいなど、期間を「貸すべき目的のために必要な期間」に限定した賃貸を行うための契約方法です。この「目的」はなんでも良いわけではなく、転勤などの限られた場合でしか用いることができません。契約時に定めた「目的」が無事に果たされると、賃貸期間が終了します。

定期借家契約同様、解約前には事前の通知が必要ですが、 一時使用賃貸借契約の場合には、通知から3か月後に解約できます


転勤と一時使用賃貸借契約

一時使用賃貸借契約の場合、定期借家契約のように、事前に設定した解約日で必ず契約が終了となるわけではなく、「目的」が果たされていなければ、そのまま賃貸を継続することができます。一時使用賃貸借契約を結んでおけば、転勤が長くなっても帰ってくる場所がなくなるという心配がありません

たとえば、転勤が当初2年とされていたところ延長となった場合、帰任が決まった時点で貸主側から解約通知を行うことで、3か月後にマンションを返してもらえることができ、それまでは契約が継続します。

住宅ローンが残っている場合は金融機関に相談する

住宅ローンが残っている場合は金融機関に相談する

マンションを貸したいと思ったときに、住宅ローンが残っている場合には、事前に金融機関への相談が必要になることが多いです。

一般的な住宅ローンは、本人が住む場所を確保することを目的とした利用が前提に金利が設定されているローンであるため、原則としてそのままの契約内容ではマンションを貸し出せません

しかし、住宅ローンが残っている状態から賃貸を始めることは、多くの場合で実現可能です

まずは、ローンを組んでいる金融機関へ相談しましょう。相談に対する金融機関の主な返答は、大きく分けて以下の二通りが考えられます。

  • 不動産投資ローンへの変更を求められる
  • 住宅ローンの契約内容の一部変更、あるいはそのままで貸すことを認めてもらえる

どちらになるかはケースバイケースですが、いずれにしても住宅ローンの返済中だからと言って、そのマンションを貸せないということにはなりません

なお、住宅ローンが残った状態で、金融機関に相談せずに賃貸経営を行うことは、最悪の場合一括返済を求められる可能性がありますので、絶対に避けましょう。

不動産投資ローンへの変更

住宅ローンの契約上「賃貸不可」とされている場合、「不動産投資ローンへの借り換え」が提案されることがあります。マンションを貸すことが可能になりますが、一般的に住宅ローンとは金利や借入期間が異なります。提案されたローンの金利がどれくらいになるかによって、他の金融機関へ借り換えを検討する機会になるかも知れません。

住宅ローンの契約内容の一部変更、あるいはそのままで貸すことを認めてもらえる

住宅金融支援機構や銀行などの金融機関で住宅ローンを組んでいても、大きく契約内容を変更せずにマンションの貸し出しを認めてもらえるケースもあります。契約によっては「一部ケースでは賃貸も可」という特例が設定されていることもあります。契約書上に原則不可と記載されている場合でも、「やむを得ない」事情であれば、柔軟な対応を検討してもらえることも多いようです

相談した結果「不動産投資ローン等に借り換えてほしい」となるか「住宅ローンのままで良い」と判断されるかはケースバイケースですが、いずれにしても住宅ローンの返済中だからと言って、そのマンションを貸せないということにはなりません

住宅ローン利用者が何かしらの事情によって、住宅ローンで買った自宅に住めなくなるケースというのは多々あります。金融機関に事情を説明すれば、必要な手順や用意されている選択肢を案内してもらえることでしょう。利用している住宅ローンや金融機関によって判断は異なりますが、無理だと決めつけずに、まずは相談、あるいは交渉してみるのが良いと思います。

なお、住宅ローンが残った状態で、金融機関に相談せずに賃貸経営を行うことは、最悪の場合一括返済を求められる可能性がありますので、絶対に避けましょう。

適切な家賃設定や入居条件を決める必要がある

適切な家賃設定や入居条件を決める必要がある

マンションを賃貸に出すなら、効率よく入居者を見つけ、安定した家賃収入を得るための準備が必要です。常に入居者を確保し、継続的な家賃収入を得るためには、市場のニーズに合った家賃入居条件を設定しなければなりません。

高すぎる家賃では入居者が見つかりにくく、安すぎると家賃収入が十分に得られません。貸し出すマンションについて、そのマンションと似た物件をさまざまな面から比較し、借りる側の視点に立ったうえで、妥当な家賃設定にすることが肝要といえます

また、家賃だけではなく、契約の種類や契約期間、敷金・礼金、ペット飼育や喫煙の可否といった入居条件も設定しなければなりません。厳しすぎる条件は入居希望者を遠ざけてしまいます。「自分の希望」と「借りる人の借りやすさ」の両面から検討し、適切な条件を設定しましょう。

マンションを貸したいと思ったら信頼できる賃貸管理会社を見つけよう!

今回は、マンションを貸すことのメリットとデメリット、貸す流れ、かかる費用、マンションを貸すときの注意点について解説しました。マンションを貸すことを難しく感じた方もいるかもしれません。

しかし、信頼できる賃貸管理会社を見つけ、しっかりと準備をすれば、マンションを貸すことはそう難しいことではありません。賃貸経営の経験がない場合は、入居者募集に加えて管理業務も代行してくれる賃貸管理会社への依頼をおすすめします

賃貸管理会社に依頼をすると「長期的に貸し出したい」「転勤の期間だけ一時的に貸し出したい」など、マンションを貸す理由に合わせた適切な賃貸借契約の方法を提案してもらうことができます。加えて、所有する過去の取引実績のマンションの状態や周辺の家賃相場のデータをもとにした入居者を確保しやすい家賃入居条件の提案など、賃貸経営に必要な情報が提供されます。

マンションを貸したことがない方でも、賃貸管理会社に相談しながら適切な方法で貸し出せば、賃貸経営におけるリスクを抑えることができます。所有するマンションを有効活用するために、まずは相談してみましょう。

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