平成28年4月現在の調査によると、義務教育相当の年齢の海外在留子女数は7万9,000人以上にのぼり、その7割以上の約5万9,000人が海外の国際学校や現地校に通学しているとされています。
しかし、日本でも何かと悩みの種になりがちなのが、お子さんの教育。ましてや慣れない海外では……。お子さんと一緒に海外へ長期赴任される場合、大きな関心事となるのは現地での学校教育ではないでしょうか。
では、海外赴任先にはどんな学校があるのか。まずはそこから、慣れない海外の教育事情を紐解いていきましょう。
【日本人学校】
日本で小・中学校に通う年齢のお子さんを対象に、海外でも日本と同等の学校教育を受けることができる全日制の学校です。文部科学大臣の認定を受け、日本政府派遣の教師を中心に、日本人教師が日本の検定教科書を用いた授業が行われます。
【補習授業校】
主に現地校や国際学校に通う子どもを対象に、土曜日や平日の放課後に日本国内の学校で学ぶ国語や算数・数学などを指導する教育施設です。お子さんが日本に帰国してからもスムーズに日本の教育カリキュラムに適応できるように、日本人教師が日本の検定教科書を用いて指導します。このうち、日本政府から援助を受けていない学校は「補習教室」と呼ばれています。
【私立在外教育施設】
日本の学校法人等が海外に設立した全日制の学校で、日本人学校と同様に文部科学大臣の認定を受けています。日本国内と同等以上の学校教育を行っていますが、教育方針などは各学校によって異なります。
【現地校】
海外赴任先の政府等から認定を受けている全日制の学校で、公立と私立があります。現地の子どもたちが教育を受けるための学校ですから、その国の言葉でその国の指導方針に沿った授業が行われます。国によって就学年齢や学年制が異なり、私立にはそれぞれ固有の入学資格が設けられていますので、事前の確認が欠かせません。
【国際学校】
日本にも設立されているインターナショナルスクールやアメリカンスクールと同様、多国籍の子どもや、ある国が自国の子どもを教育するために設けられた外国人学校です。使用言語や学年制などは各学校によって異なります。
海外の学校は主に以上のように大別され、日本人学校、私立在外教育施設、現地校、国際学校のうちの1校で教育を受けるか、もしくは現地校か国際学校で授業を受けながら補習授業校で日本の教育をフォローする、というスタイルが一般的です。
海外子女・帰国子女の教育振興を図ることを目的に設立された「公益財団法人 海外子女教育振興財団」では、海外赴任者のための教育相談や情報提供、講習会、海外学校説明会などを実施していますので、何かと相談してみることをおすすめします。
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