海外生活のなかで、日本と異なる習慣に戸惑うことのひとつに、「チップ」があると思います。いつどんな場面で渡すことがベターなのか、そもそもどの国にも必要なものなのか。海外赴任の際にもチップの習慣を心得ておくと、普段からよりスマートな振る舞いができることでしょう。
日本ではチップは習慣化されていませんが、海外ではチップは労働報酬の一部とみなされており、サービス業で働く人たちにとって大切な収入源になっています。ただ、チップは感謝の気持ちから渡すものであり、サービスの内容次第では渡さないこともあります。
海外赴任国によって、チップの習慣の有無は異なります。チップの習慣があるのは、アメリカやカナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどの欧米諸国。香港や南米諸国にもチップの習慣があります。また、東南アジアでは、ローカルなホテルやレストラン、タクシーには必要ありませんが、外国人向けの高級ホテルやレストランではチップを渡すことがベターです。一方、オーストラリアやニュージーランド、中国、韓国には、日本と同様にチップの習慣はないとされています。
チップの習慣がある国で暮らす際には、あらかじめチップ用に小額紙幣を用意し、財布とは別にして、取り出しやすいようにおくことがよいでしょう。
ホテルでは、チェックイン・アウトの際にポーターが荷物を運んでくれたときや、ルームサービスを届けてくれたとき、コンシェルジュに頼みごとをしたときなどにチップを渡します。いずれも1回につき1ドル程度が相場です。
また、部屋を整えてくれるベッドメイクのスタッフにもチップは必要です。ベッドメイクには直接渡すことができませんので、部屋を出る前にベッドサイドのテーブルや枕元にピローチップ(枕銭)を置いておきます。ピローチップの相場も1ドル程度ですが、ホテルのグレードが高いほど、チップも多めに置いておくことがベターです。
レストランのチップの相場は、食事の合計金額の10~15%が妥当です。レストランでは合計金額にサービス料が含まれていることもあり、その際にはチップは不要です。勘定書を確認のうえ、チップを渡す必要がある際には、支払いに使ったトレイの上に置いて店を後にします。
また、クレジットカードで支払う際には、会計のさい店側が提示する支払い票で「Charge」の欄を確認し、サービスチャージが料金に含まれているかをまず確認します。含まれていない場合は、渡すチップの金額かパーセンテージを自分で記入し、サインします(「Tip」「Gratuity」という欄があればそこに記入)。書き込む欄がない場合には、チップとして現金を置きます。
タクシーのチップの相場も、レストランと同様に料金の10~15%が妥当です。降車の際に、乗車料金にチップを上乗せしてドライバーに支払います。ドライバーが荷物を運んでくれたときなどには、多めに支払うのがスマートです。
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