海外でも自転車通勤はできる?世界の自転車事情をチェック

近所へのちょっとした外出や通学に何かと自転車は重宝します。ここ数年、日本では自転車ブームが起こり、スポーツサイクルに乗る人も増えてきました。それに伴い自転車で通勤をする人も増え、スーツを着て颯爽とオフィス街を走行する姿も珍しくない光景となっています。

日本で自転車通勤をしていた方のなかには、海外赴任先でも通勤に自転車を利用したいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、海外の自転車事情について調べてみました。

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1. 海外の自転車専用レーンの普及状況

海外の自転車専用レーンの普及状況

日本では自転車利用者の増加を受け、自転車専用レーンが整備された車道も増えてきました。また、自転車事故の増加に伴い2007年には自転車の重要な交通ルール「自転車安全利用五則」がまとめられ、自転車は原則車道を走行することが周知され、歩道を走行した場合の取り締まりも強化されることとなりました。

海外でも、基本的には自転車は車道を走行するのが一般的です。自転車が車道を走行するにあたり、走りやすさや安全面で重要になってくるのが自転車専用レーンです。ヨーロッパではこの自転車専用レーンが整備されている国が多く、車社会と言われるアメリカでもニューヨークやワシントンなどでは自転車専用レーンの整備が進んでいます。また、中国と言えば自転車が車道を埋め尽くすかつての自転車ラッシュを連想される方が多いかもしれません。しかし現在の中国では北京や上海などの都市部で自転車専用レーンの整備が進められており、自転車が安全に走行するための自転車専用の高速道路の整備も進められています。

一方、タイやベトナムなどの東南アジア諸国では車やバイクが主流で、都市部ではあまり自転車を見かけません。自転車を利用するにしても車やバイクと同様に車道走行が一般的ですから、利用には特に注意が必要です。東南アジアの雨季は蒸し暑く、通勤時に自転車を利用する場合オフィスに到着する頃には汗だくになってしまいます。また、夕方には激しいスコールが発生することがあるので、海外で自転車通勤をする際にはその土地の気候も考慮する必要があるでしょう。

ヨーロッパに目を向けると、オランダなどと並び自転車先進国と称されるデンマークの首都コペンハーゲンでは、朝夕の通勤ラッシュ時になると自転車利用者がひしめきあいながら行き交う光景も日常的に見られます。また、イギリスのロンドンでは、地下鉄をはじめとする公共交通機関の遅延が日常茶飯事です。この渋滞を避ける意味合いもあり、自転車の利用が広がってきています。住宅地と都市部を結ぶサイクル・スーパーハイウェイも設置され、自転車での通勤がより安全で便利なものになっています。

2. ヨーロッパで利用者の多い自転車通勤

ヨーロッパではCO2の抑制や渋滞緩和、健康促進などの観点から、かねてより通勤・通学の手段として自転車の利用が浸透し、自動車専用レーンの整備が全土に行き届いている国もあります。また、ドイツやイギリスなどでは自転車専用の高速道路「サイクル・スーパーハイウェイ」の整備も進んでいます。

ヨーロッパのなかでも、オランダとデンマークは自転車先進国と言われています。たとえばオランダは世界トップの自転車保有率を誇り、自転車が移動手段として生活に根づいています。交通手段における自転車利用の割合を示す交通分担率をみると、2005年のオランダでの自転車の交通分担率は27%となっています。これは4人に1人が自転車で移動をしているということになります。

3. 海外赴任国の事情をチェックし、快適なサイクリングライフを

こうした自転車の利用環境が整っている国へ赴任する際は、自転車があると非常に便利で、行動範囲もぐんと広がります。欧米では、買い物等に便利なシティサイクルから、ロードバイク、マウンテンバイクなど、様々なタイプの自転車を購入することができます。日本では電車に自転車を乗せる際は、折りたたむか分解して輪行バッグに入れなければならないことが大半です。しかし、イギリス、フランス、ドイツ、オーストリア、イタリアなど多くのヨーロッパの国では、自転車を折りたたんだり分解したりする必要はなく、そのまま自転車を積み込むことができる列車が日常生活に溶け込んでいます。国によって自転車の乗せ方には違いがあり、車両の中に自転車用スペースがある場合や自転車専用の車両が用意されている場合もあります。

そのため、ヨーロッパでは通勤だけでなく週末を使ったショートトリップや隣国への旅行の際にも自転車を活用している人が多くいます。日本では、自宅から最寄り駅まで車でアクセスし、駅からは電車で移動するパークアンドライドの利用が促進されていますが、ヨーロッパでは自転車と電車を組み合わせた移動方法が一般化しています。パークアンドライドと違い、自転車を電車に積み込めるため、目的地に着いたときにも自転車を移動手段として利用することができて便利な方法です。
自転車は、交通渋滞を避けることができ、健康や環境にも配慮した手軽で便利な移動手段です。各国の交通事情や環境を考慮のうえ、海外赴任先でもサイクリングライフを楽しんではいかがでしょうか。

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この記事の編集者

リロケーション・ジャパン

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