空き家となっている実家について、将来自分たちが住む可能性も考えられます。賃貸に出す際は、前もって賃貸に出す期間を決めておける「リロケーション」という形態が安心できます。
リロケーションのメリットは更新がなく契約期間を決めておけるため、自分たちが住む際にスムーズに入居ができること。デメリットは入居期間が決まっているため、相場に対して賃料が2割ほど安くなってしまうことです。実家をリロケーションで貸し出す際にはリロケーションサービスを活用することで、賃貸に出す際に発生する「賃貸管理業務」をほぼ削減できます。
当記事では、実家を賃貸に出す際のリロケーションサービスの活用方法や管理会社選びのポイントについて詳しく解説します。
私のお家、相場より高く貸せる?
今すぐ無料で賃料査定
目次
1. リロケーションサービスとは

リロケーションサービスとは、転勤や海外赴任などで一定期間自宅を賃貸に出す際にその間の賃貸管理を代行するサービスです。
リロケーションは期間を決めて貸し出す一時的な賃貸なので、いずれ住む可能性があるなら転勤でなくても実家を賃貸に出す際でも同様のサービスを利用できます。
リロケーションはあらかじめ賃貸期間を決めるため、入居者との契約も「定期借家契約」という普通借家契約とは異なるリロケーションの用途に合わせた特別な契約を使用します。
関連記事
リロケーションとは?特別な契約方法や掛かる費用、注意点を詳しく解説

2. リロケーションサービス活用のメリット、デメリット

リロケーションサービスを活用するメリットは、前もって賃貸期間を決めておけることです。
実家である場合、リフォームして自分たちが将来住んだり、土地の有効活用も含めて使用用途は広いと考えられます。
特に現在の住居形態が賃貸の場合は、不動産として住居を保有しておくことは重要でしょう。
そのため先々であっても使う予定に合わせて契約終了日を設定できることや、どんな入居者になるか不安がある場合など、あらかじめ期限を決めておけるリロケーションを用いることで安心して賃貸に出せます。
そのほかのメリットは以下の通りです。
2-1.リロケーションサービス活用のメリット
- 手間を省ける: 入居者の募集、契約、家賃の集金、トラブル対応など、退去時の精算、工事会社の手配のような煩雑な賃貸管理業務を代行してもらえます。
- 空室リスクを軽減: 専門のノウハウで、入居者を効率的に募集し、空室期間を最小限に抑えます。
- 資産価値を維持: 人に住んでもらうことで定期的なメンテナンスや清掃を行い、建物の劣化を防ぎます。
- 安心感: トラブル発生時も知識や経験のあるスタッフが迅速に対応します。貸主が海外を始め遠隔地にいる場合は特に安心です。
2-2.リロケーションサービス活用のデメリット
リロケーションサービス活用のデメリットは、他の賃貸管理会社を利用するのと同様に委託手数料がかかることです。
また、リロケーションは賃貸期間を決められる貸主のメリットが借主にとってはデメリットになります。
引越しの手間や費用を掛けたくないことや長期的に住みたい借主の意向に反してしまうためです。
そのため、場合によっては相場の1~2割ほどの賃料を下げて募集をする場合もあります。
前述の通り「定期借家契約」は扱う賃貸会社が少ないので探す際の手間や担当者によっても差があります。大手の賃貸管理会社に拘る必要はなく、転勤時の賃貸運用の実績が豊富な賃貸管理会社を探すことが大切です。
当社、リロの留守宅管理は日本で初めてリロケーションサービスを事業化した会社であり、定期借家契約をはじめとしたリロケーションサービスの実績が40年以上あります。実家をリロケーションで賃貸に出す際はぜひ、ご連絡ください。
>>賃料査定(無料)はこちらから
3. リロケーションサービスの活用方法

実家を賃貸に出す際にリロケーションサービスを活用するには、リロケーションサービスに力をいれている不動産会社を選びましょう。リロケーションサービスを選ぶ際のポイントご案内します。
3-1. リロケーションサービス会社の選び方
リロケーションサービスをメインに行う不動産会社は多くはありません。
そのため一括査定サイトなどには出ていない可能性が高いです。インターネットで検索して1社ずつ問い合せてみましょう。3社くらいに問合せればサービス内容の違いが分かり判断基準が明確になります。
下記にリロケーション会社を選ぶ際のポイントをご紹介します。
- リロケーションの実績: リロケーションでの賃貸管理実績が豊富で管理戸数が多く、信頼できる会社を選びましょう。
実績や管理戸数は賃貸管理会社のHPで確認できます。定期借家契約の取り扱いについても確認しておくと安心です。 - リロケーションサービスの内容:委託管理手数料、入居者対応、建物管理、退去時の精算、万が一の保証サービスなど、必要なサービスが含まれているか確認しましょう。
また、設備故障などの緊急時の連絡に対応できるかもポイントです。管理メニューが少なく借主が不便に感じる、不動産会社の場合は空室リスクにつながる恐れがあります。 - 手数料:手数料の相場は5~12%くらいです。
手数料が安すぎる場合は注意しましょう。必要なサービスが受けられない、あるいは都度費用が必要となるケースもあります。
一方で高い場合は余計なサービスが付随している可能性があります。サービス内容を確認し、納得できる回答がある会社が信用できるでしょう。 - サポート体制: トラブル発生時の対応や、定期的な報告など、サポート体制が充実しているか確認しましょう。
リロケーションサービスの手数料を見極める上のポイントをご案内します。
- 入居募集~賃貸契約までのサポートは十分か
- 建物、入居者の管理体制はしっかりしているか
- 入居中にトラブルがあった際の窓口、対応は営業時間も含めしっかりしているか
- 退去後の敷金の精算や退去者との原状回復の交渉を任せられるか
- 貸主専用のアプリケーションなどが用意されて、アプリ内で一元管理できるか
- どのような保証サービスが組み込まれているか(賃料保証、明け渡し保証)
関連記事
信頼できる不動産会社の選び方とポイント、家を貸すときは管理会社が重要!

3-2.リロケーションサービス利用時の手順
リロケーション会社の選定
3社くらいの不動産会社を目安にリロケーションサービスの内容、管理手数料、契約条件、会社の規模などを確認しましょう。
信頼できそうな不動産会社に賃料査定を依頼して実家に訪問してもらい、賃貸に向けての提案を受けます。
入居までは平均3ヶ月程度なので早めに準備しましょう。
賃料査定と管理委託契約の締結
賃料査定を受け、納得いく不動産会社と賃貸管理契約を締結します。入居者が決定するまでは無料なので納得いくまで話をしましょう。
家を貸す際には入居者募集や内見の案内、契約、入居中の問合せ窓口、退去後の敷金の精算や立会いなどの賃貸管理業務が発生します。それらを貸主に代わりリロケーション会社が代行します。その際に貸主とリロケーション会社で締結する契約が管理委託契約です。
賃貸に出す準備
専門業者によるハウスクリーニングで室内を綺麗にします。
水回りは自分では落せない汚れもあるので専門業者に依頼するのが一般的です。
庭がある場合は庭木の剪定や草むしりをして内見時の印象を良くしましょう。エアコンやガス給湯器などの家電設備が故障していないかも確認しておきましょう。
募集条件の設定と入居者募集
募集条件とはペットの飼育、楽器の演奏、室内での喫煙を認めるかなどです。退去後の原状回復を鑑みた場合、喫煙、ペットの飼育を禁止することが多いです。
また、契約期間の途中で解約することもあります。その際の違約金の取り決め、退去時のクリーニング費用、エアコン洗浄費用の負担をどちらにするかなども、条件として決めて契約書に明記しましょう。
入居者の決定と契約
入居申し込みが入ると、リロケーション会社を通じて入居審査をします。
入居審査は支払い能力や、過去に家賃滞納の履歴やトラブルがないかを信用調査機関が調べます。審査に問題なければ契約を締結します。
私のお家、相場より高く貸せる?
今すぐ無料で賃料査定
4. 実家を賃貸に出す際のリロケーションサービスの注意点

実家を賃貸に出す際、リロケーションサービスを利用する際の注意点についてご案内します。
4-1.賃貸契約
実家を賃貸に出す際に注意したいのは、将来住む可能性があるか否かです。将来住む可能性があるなら、前もって期間を決められる定期借家契約で入居者と契約しましょう。
定期借家契約は、あらかじめ決めた期間で退去をするため、自分たちが決めたタイミングでスムーズに入居ができます。立退料も支払う必要がありません。
自分たちの入居予定が伸びてしまった場合は、借主と合意の上で新たに期間を決めて再契約できます。契約終了時は6ヶ月前までに解約予告をします。
4-2.家賃設定
実家の築年数、間取り、駅からの徒歩分数などから周囲の類似物件と比較して決めていきます。
賃貸情報サイトが参考になりますが、サイトで掲載している家賃は募集中の賃料のため実際に成約した価格までは分からない点には注意が必要です。募集中の賃料は高めに設定されていることもあり、鵜呑みにすると空室リスクを高めます。
家賃設定のコツは不動産会社に賃料査定を依頼し、成約時のデータから適切な家賃を提案してもらうことです。家賃設定を正しく行うことで空室リスクを軽減することが可能です。
>>賃料査定(無料)はこちらから
4-3.賃貸管理サービスの内容
賃貸管理を委託する場合、管理サービスの内容に注意しましょう。
入居開始後、委託手数料が発生することから安い不動産会社を選びたくなりますが、安い場合は管理業務の内容や入居者募集方法が少ないこともあります。
その場合、不慣れな管理業務を自分がやることになったり、空室期間が長期化するなどのリスクが発生します。入居前、入居中、退去時にどのようなサービスが提供されるか、契約解除方法まで確認しましょう。
関連記事
家を貸すときの注意点を場面別で解説!貸す前、賃貸中、退去時の気を付けるポイントを紹介

5. 実家を賃貸に出す際、リフォームが必要かの判断基準

実家を賃貸に出すにあたり、築年数が経過している場合はリフォームを検討すると良いでしょう。リフォームの基準は築年数、旧耐震基準で建てられていないかです。
また、リフォームを検討する際はリロケーション会社と相談し必要最低限の箇所で工事することをおすすめします。実家を賃貸に出す際、どのようなポイントがリフォームの判断基準になるか解説します。
5-1.築年数
国土交通省の「令和5年度住宅市場動向調査報告書」によると、新築住宅を取得した人のリフォーム時期は、平均築後年数が25.8年でした。実家の状態にもよりますが25年前後がリフォームを検討する基準のひとつになると考えられます。
加えて、昭和56年5月31日以前に建築されている場合、旧耐震基準で作られている可能性があり、リフォームを検討する基準となります。
リフォームせずに賃貸に出すこともできますが、震度6強~7程度でも倒壊しないことが義務付けられている現在の耐震基準を満たしていないため、安全面の懸念から空室期間が長期化するリスクが高いと考えられます。
参考:国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査報告書」
参考:国土交通省|住宅・建築物の耐震化について
5-2. 建物の状態
築年数が新しくても、建物の状態によってはリフォームが必要になることがあります。
例えば、以下のような状態であればリフォームを検討すべきでしょう。
- 屋根や外壁の破損・劣化(雨漏りの原因)
- 水回り設備(キッチン・浴室・トイレ)の老朽化や汚損
- 床や畳の破損・著しい汚れ
- 壁紙のはがれ・変色・カビ
- ドアや窓などの建具の開閉不良
5-3.賃貸管理会社の見立て
賃貸に出すためだけに実家をリフォームする場合、リロケーション会社の意見を最終的な判断基準にすると良いでしょう。
リフォーム費用の回収を考えた場合、家賃収入でリフォーム費用を賄うことが望ましく、賃料の目安を決めずに工事をすると過剰投資になるリスクがあるからです。
年間で得られそうな家賃収入から賃貸に出すために必要な最低限の範囲でリフォームをすることで無理のない計画が立てられます。
関連記事
実家を賃貸に出す方法とは?メリットと注意点、賃貸に出す流れや契約のポイントを解説

6.実家を賃貸にするための費用

リロケーションサービスを活用して実家を賃貸に出すときにどれくらいの費用がかかるか、賃貸に出す前の費用、賃貸に出している間にかかる費用と目安をご案内します。
6-1.実家を賃貸に出す前の費用と目安
- ハウスクリーニング費:部屋の広さによって変わりますが、当社のハウスクリーニング費用は1DK~5DK:1,210円/㎡ほどです。
- 水回りのクリーニング:33,000円~44,000円
- クロスクリーニング:770円/㎡
- カーペットクリーニング:1,100円/㎡
- エアコンクリーニング:14,300円
- 仲介手数料:家賃の最大1ヶ月+消費税までと法律で定められています。
その他、故障しているエアコンなどがあれば修繕費がかかります。
6-2.賃貸に出している間の費用と目安
それぞれ違いがあるので明確な費用を出せないので項目のみとなります。
- 委託手数料:家賃に対して5~12%(入居者が決まるまで発生しません)
- 住民税、所得税:貸主の所得に応じて異なります
- 火災保険、地震保険
- 施設賠償責任保険料
私のお家、相場より高く貸せる?
今すぐ無料で賃料査定
7.まとめ
実家を賃貸に出す際のリロケーションサービスの活用方法は、リロケーションでの賃貸に慣れた不動産会社に賃貸管理を委託することです。リロケーションは期間限定の賃貸ということもあるので空室期間を出さぬような賃料設定が肝になります。そのため、適切に賃料を決めるための提案やアドバイスを多く受けられ、定期借家契約などに慣れた会社に委託することです。
インターネットで探し、転勤期間中の賃貸管理の実績、定期借家契約で締結している頻度、委託手数料などを3~4社の賃貸管理会社に確認し担当者の対応も踏まえてリロケーションサービスを提供する管理会社を決めましょう。その際のチェックポイントは以下の通りです。
- リロケーションの実績
- リロケーションサービスの内容
- 料金体系
- サポート体制
リフォームの基準は築年数が25年以上ですが、過剰投資にならないように賃料設定とのバランスを見ながら、年間収支で回収できる範囲で工事の内容を決めましょう。これには賃貸管理会社の見立てが必要です。詳細な賃料査定を依頼しましょう。
ただし、昭和56年5月31日以前に建築されている家は、現在の耐震基準を満たしていないことが多く安全面に懸念があるため、現在の耐震基準を満たすためのリフォームを検討しましょう。
この記事の編集者
カテゴリ: 家を貸す 関連記事
賃貸に役立つコラム記事
海外赴任時の賃貸に関して
転勤時の賃貸に関して
一戸建て・マンションの賃貸に関して
査定に関して
人気記事TOP5
タグ一覧

記事検索