リロケーションと一般的な賃貸は何が違う?異なるポイントを解説
リロケーションとは、長期間空いてしまう家を一時的に貸し出すことをいいます。
リロケーションと「一般的な賃貸」との違いは、契約期間を前もって決められることや契約形態、賃料などです。どういうケースの場合にリロケーションが最適なのか迷う方もいるのではないでしょうか。
今回は、「リロケーション」と「一般的な賃貸」の主な違いを解説します。
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目次
1. リロケーションとは
リロケーションとは、英語の「relocation」(移転または配置転換)からとった転勤者の留守宅を一定期間賃貸するシステムのことで、あらかじめ貸主が期間を決めて貸し出す点が、一般的な賃貸と異なります。
リロケーションを行うことで、留守にしている間の持ち家を有効活用でき、入居者に家を維持管理してもらいながら、家賃収入を得ることができます。
転勤や住み替え、家族の療養や介護などで利用されることが多くあります。
2. リロケーションと一般的な賃貸の違い
リロケーションと一般的な賃貸のおもな違いは、「契約期間」と「管理方法」「家賃相場」です。

リロケーション | 一般的な賃貸 | |
---|---|---|
契約期間 | 明確な期限がある (2~3年程度の短期間が多い) |
入居者の希望次第で 契約期間に幅がある |
管理方法 | 管理会社へ委託 | 自主管理または管理会社への委託 |
家賃相場 | 相場の8~9割程度 | 相場通り | おすすめの人 | ・期間限定で自宅を貸し出したい人 ・留守中に自宅を空き家に しておきたくない人 |
・安定した家賃収入を 長期的に獲得したい と考えている人 |
リロケーションと一般的な賃貸で、契約期間や家賃相場にどのような違いがあるのか、次章から紹介していきます。
3. リロケーションはあらかじめ契約期間を定める
リロケーションは、留守にする期間の貸し出しを前提としているため、契約期間に具体的な期限があり、多くは2~3年程度の短期間です。契約時、明確に「○年契約」と定められているため、入居者は契約期間満了時に契約更新をすることはできず、満了を迎えると入居者は必ず退去しなくてはなりません。
一般的な賃貸においても契約期間は2~3年単位に設定されるのが常ですが、リロケーションと違い更新が可能です。入居者は自身の希望次第で契約の終了または継続を選べます。
一方で、建物の老朽化や家賃滞納といった正当な事由なしに所有者からの契約更新の拒否や急な立ち退き請求は、基本的に認められません。そのため、更新時期が来る度に入居者から契約更新を希望されると、長期にわたって自宅を貸し出すこととなります。
リロケーションにおける契約方法の種類には主に次の2つです。
定期借家契約 | 一時使用賃貸借契約 | |
---|---|---|
契約期間 | 期間満了日を 契約時に設定 |
帰任するまで ※2年以上の賃貸期間 を設けることが 一般的 |
更新の有無 |
無 ※双方合意で再契約可 |
無 |
中途解約の可否 |
否 ※契約期間満了の 半年~1年前に 解約予告が必要 |
可 ※保証期間は 解約不可 ※解約日の3か月前に 解約予告が必要 |
おすすめの人 |
・賃貸した家を 将来的に自分で 使う予定がある人 ・自宅を空き家に したくない人 |
・海外赴任等で 一時的に家を 貸したい人 ・留守中に自宅を 空き家に したくない人 |
3-1. 定期借家契約
契約時に賃貸期間を設定し、期間満了をもって契約を終了します。更新の概念はなく、契約を続けたい場合は、双方合意の上で再契約を締結する必要があります。
たとえば定期借家契約では、6ヶ月前までに借主に対して解約通知を行わなければいけません。
定期借家契約では期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に借主に対して解約通知を行わなければいけません。
将来自宅を使うまで、有効活用したい方におすすめの契約方法です。
定期借家契約に関するより詳しい内容は、以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
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定期借家契約とは?メリットや注意点、他の契約との違いを解説

3-2. 一時使用賃貸借契約
転勤など、一時使用を目的に締結する契約です。一時使用の目的を果たすまでが契約期間となります。一時使用の目的が達成されていなければ、契約期間は1日単位で延長されます。
一時使用賃貸借契約では、3ヶ月前までに通知すれば契約の解除が可能です。
ただし、一時使用賃貸借契約は、転勤など一時的な使用であると認められる場合でしか使用できません。
一時使用賃貸借契約は、海外赴任や転勤期間中の自宅を有効活用したい方におすすめの方法です。
4. リロケーションで用いられる管理方法

リロケーションでは、入居者がいる間の管理をリロケーション会社に委託します。このとき用いられる管理方式には、以下のように「管理委託」と「転貸借」の2つがあります。
管理委託 | 転貸借 | |
---|---|---|
管理会社の役割 |
オーナーから委託されて 物件の管理・運営を行う |
オーナーと入居者の間に入り それぞれと賃貸借契約を結び 契約当事者として 管理、運営を行う |
契約関係 |
・オーナーと管理会社で 管理委託契約を結ぶ ・オーナーと入居者で 賃貸借契約を結ぶ |
・オーナーと管理会社で 賃貸借契約を結ぶ ・管理会社と入居者で 転貸借契約を結ぶ |
トラブル時の対応 |
契約内容によって 物件オーナーが対応したり 判断したりすることも多い |
基本的に管理会社が すべて対応する |
管理手数料 |
転貸借に比べて 安価となる傾向にある |
管理委託に比べて 高くなる傾向にある |
おすすめの人 |
・管理手数料をなるべく 安く抑えたい人 ・物件の近くに住んでいて トラブル時にすぐに 対応できる人 |
・なるべく管理会社に 任せたい人 ・海外赴任等で トラブルが発生しても すぐに対応できない人 |
それぞれの違いを詳しく解説します。
4-1.管理委託
管理委託は、物件オーナーが管理会社と管理委託契約を結び、全部または一部の物件管理業務を委託する方法です。賃貸借契約は物件オーナーと入居者の間で直接締結され、オーナーが賃貸人、入居者が賃借人となります。
依頼できる業務は、入居者の募集や賃貸借契約の締結、集金確認に加えてクレームやトラブルへの対応などです。ただし、管理会社が独自に判断して行動できないため、クレームやトラブルが発生する都度、物件オーナーが対応したり判断したりする必要があります。
4-2.サブリース(転貸借)
サブリース(転貸借)は、物件オーナーが不動産会社に物件を賃貸し、その不動産会社が転貸人として入居者(転借人)に物件を貸し出す方式です。いわゆる又貸しの状態です 。
管理会社が基本的に入居者とのやり取りをすべて行うので、万が一問題発生してもオーナーが対応する必要がありません。また、管理会社が契約当事者となるため、トラブルで裁判などに発展した場合でも、管理会社が対応可能な点が管理委託との大きな違いとなります。
転貸借に関するより詳しい内容は、以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
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転貸借とは?転勤時に家を貸すなら知っておきたい仕組み

5. リロケーションでは、家賃が相場よりも低くなる
リロケーションの場合は、一般的な賃貸に比べて賃料が安くなる傾向があります。
これは、入居者が契約期間満了時に必ず退去しなければならないことから、一般的な賃貸と比べて需要が限定的になってしまうためです。この貸主有利な特性から、リロケーションは一般的な賃貸に比べて集客しにくい側面があります。
そこをカバーして集客しやすくするためにも、多くの不動産会社ではリロケーション物件の家賃を一般的な賃貸の相場よりも低く設定します。
6. リロケーションはどんな人におすすめ?
リロケーション | 一般的な賃貸 | |
---|---|---|
契約タイプ |
一時使用賃貸借契約 定期借家契約 |
普通借家契約 |
契約期間 |
赴任期間など目的に合わせて 2~6年程度 |
2年ごとに契約更新を行うことが一般的 入居者の希望次第 |
賃料保証 | サービスによって異なる | サービスによって異なる |
※賃貸管理サービスの内容は、多岐にわたります。すべてのサービスが上記に当てはまるものではありません。
6-1. リロケーションがおすすめの人

転勤などで長期間留守にする間、「自宅を貸し出したいけど、最終的に手元に戻ってきてほしい」という場合は、一時的に自宅を貸し出すリロケーションが最適な方法でしょう。
転勤が短期間の人や、他人に自宅を使われるのが嫌な人などは、リロケーションはおすすめできません。たとえば転勤期間が2年未満の短期間である場合、その間だけ住む人を見つけるのはなかなか難しいでしょう。リロケーションとして貸し出す場合は、最低でも2年は貸し出し期間を確保する必要があります。
また、リロケーションでは貸し出し期間が終わった後に、自分たちが再度、自宅に住むことになります。そのため、留守中とはいえ、他人に自宅を使われるのが嫌という人には向かないシステムです。
家賃収入は期待せず、一定期間、現在の自宅の状況を維持したいという場合は空き家管理サービスなども選択肢の一つになります。
6-2. 一般的な賃貸がおすすめの人
借主の意思で契約更新ができる一般的な賃貸の方法は、不動産投資としての強みがあります。
所有する不動産を活用し、安定した家賃収入を長期的に獲得したいと考えている人におすすめです。
戻ってくることを前提とした転勤ではない場合や、帰任後に拠点を別の場所に移したい場合は、リロケーションよりも一般的な賃貸や売却を考える方が良いでしょう。
ご自身の希望に合わせ、最適な方法を選びましょう。
7. まとめ
リロケーションは一時的に自宅を貸したい人におすすめの方法です。リロケーションでは、賃貸借契約や入居中の管理方法が重要です。リロケーション実績の豊富な賃貸管理会社に依頼しましょう。
リロの留守宅管理は、リロケーションのパイオニアとして、40年以上の賃貸借実績があります。賃料支払保証や万が一に備えた買取保証など、賃貸が初めての方でも安心です。お客様に合わせてプランをご提案いたしますので、まずは賃料査定をお申込みください。
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