家を相続したものの「放置しておくのももったいないし、リフォーム費用の捻出も難しいので、そのままの状態で貸せないだろうか」と考えている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
築年数が経過した家であっても、築年数や建物の状態によって、リフォームなしで貸し出すことは可能です。
そこで本記事では、リフォームせずに貸すための判断基準や貸す際の手順、賃貸を成功させるポイントなど、空き家活用のための実践的な方法を解説します。
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目次
1. リフォームせずに家を貸すには

「築年数の経過した家はリフォームが必須」と考える人もいますが、築年数が経った一戸建てならそのままの状態で借り手が見つかるケースはあります。なぜなら、一戸建てには多くの需要があるからです。国土交通省の「土地問題に関する国民の意識調査」によると、望ましい住宅形態で戸建てが60.3%であり、マンションよりも多い結果になっています。また、都市規模別の一戸建て住宅需要の割合は、地方圏で64%以上、東京圏でも52%以上です。(※)
(※)国土交通省|令和元年度「土地問題に関する国民の意識調査」の概要について(p.36、p.37)
これらの調査結果から、一戸建てへの高い需要が確認できます。とくに、以下のような条件を満たせればリフォームせずに借り手が見つかりやすい状況といえます。
- 賃料が安い
- ペット可等の入居条件が緩い
- リモートワークがしやすいように高速ネット回線が設置されている など
また、高齢者や外国人の賃貸ニーズが高まっており、内装の綺麗さや豪華さよりも、トイレ・キッチン・風呂などの基本設備が機能していて家賃が安ければ入居したいという人も多くなっています。
駅や学校から徒歩15分圏内のような物件であれば、子育て世帯からの需要が高く、ハウスクリーニングと簡易な修繕(壁紙の補修や水回りの交換など)だけでも貸し出せる可能性は十分にあります。
リフォームせずに貸す際の詳しいポイントについては、「3. 家をリフォームせずに貸すにはどうすれば良いか成功させる3つのポイント」で解説します。
以下の記事では築年数が経過した家の賃貸について詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
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古い家でも貸せる?すぐに借り手のつく方法と手順を解説

2. リフォームせずに家を貸せるかの判断基準

リフォームせずに家を貸せるかどうかの判断材料として、主に「築年数」と「建物の状態」の2つの要素があります。これらの条件が良好であれば、リフォームなしでも貸し出せる可能性が高まります。
築年数か建物の状態、もしくは両方に問題がある場合は入居者の確保が難しくなる傾向にあるので、空室対策としてリフォームやリノベーションが必要です。ここでは、2つの判断基準について詳しく解説します。
2-1. 築年数
リフォームの必要性を判断する目安として、築年数を確認してみましょう。国土交通省の「令和5年度住宅市場動向調査報告書」によると、新築住宅を取得した人のリフォーム時期は、平均築後年数が25.8年でした。令和元年からの平均築後年数は、25年〜27年ですので、概ね25年あたりでリフォームを実施している人が多いとわかります。
貸し出したい物件が築25年以上であっても、リフォームが必要ないケースもあるので、あくまでも目安として考えましょう。ただし、築年数が40年以上経っている物件は、注意が必要です。築40年以上(昭和56年5月31日以前に建築)の家屋は、旧耐震基準で建てられている可能性が高いからです。
そのまま賃貸するのは法律上問題ありませんが、現在の耐震基準を満たしていない住宅を他人に貸すことは安全面で懸念が残ります。昭和56年以前に建てられた建物については、耐震診断・耐震改修が国土交通省にて推奨されています。(※)耐震診断・耐震改修は、一般財団法人日本建築防災協会が「耐震支援ポータルサイト」を開設しているので、旧耐震基準に該当する場合は確認してみてください。
(※)参考:国土交通省|住宅・建築物の耐震化について
2-2. 建物の状態
築年数が新しくても、建物の状態によってはリフォームが必要になることがあります。例えば、以下のような状態であればリフォームを検討すべきでしょう。
- 屋根や外壁の破損・劣化(雨漏りの原因)
- 水回り設備(キッチン・浴室・トイレ)の老朽化や汚損
- 床や畳の破損・著しい汚れ
- 壁紙のはがれ・変色・カビ
- ドアや窓などの建具の開閉不良
想定する入居者によっては、間取りの変更やバリアフリー化も視野に入れる必要があります。
ただし賃貸物件のリフォームは、修繕費用のわりに得られる収入が少なく、投資回収に時間がかかる点が難点です。市区町村によっては、貸主のリフォーム費用を補助してくれる制度を設けているケースもあります。
例えば、東京都では「東京ささエール住宅」の専用住宅に登録することで改修工事への補助金を受け取れる可能性があります。(※)
リフォームの必要性や範囲は素人判断が難しいため、複数の不動産会社に訪問査定を依頼し、改修工事の必要性に関してアドバイスをもらうのがおすすめです。
賃貸の借り手がつかない理由について、以下の記事で詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
訪問査定のご依頼は、こちらのお問い合わせフォームからお願いします。
(※)東京都|貸主応援事業(補助金)
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3. リフォームせずに貸すにはどうすれば良いか成功させる3つのポイント

リフォームせずに家を貸すことを成功させるポイントは、以下の3つです。
- 高速ネット回線を設置する
- 最低限の修繕とハウスクリーニングを行う
- 入居条件を緩和する
それぞれ詳しく解説します。
3-1. 高速ネット回線を設置する
リフォームをしなくても、高速インターネット回線を設置しているだけで、物件の価値を高めることが可能です。高速ネット回線の設置は、特にファミリー層からの需要があります。リモートワークが継続していたりオンラインゲームなど複数のデバイスを同時に使用することも多く、安定した高速回線の存在は大きな魅力といえます。
またインターネットの引き込みは、業者への連絡や工事日の設定など意外に手間がかかり、ネット環境が整うまで時間がかかります。
そのため、インターネット回線が設置済みであり、引っ越し時にすぐに使える状態になっているのは、入居者にとって嬉しいポイントです。
一戸建ては、マンションと比較して隣接住戸からの騒音問題が少ないため、オンライン会議やリモートワークに適した環境といえます。
物件紹介の際には「光回線対応済み」「Wi-Fi環境完備」など記載してアピールしたり、月額料金の負担額を明確にしておきましょう。
ちなみに回線工事の費用は以下の通りです。(2025年2月28日現在)
- ドコモ光の回線工事の費用は、22,000円
- NURO光の回線工事の費用は、44,000円
- au光の回線工事の費用は、41,250円
- ソフトバンク光に費用は、31,680円
3-2. 最低限の修繕とハウスクリーニングを行う
リフォームまでは行わなくても、生活に支障をきたす箇所については最低限の修繕が不可欠です。以下のような箇所には、特に注意しましょう。
- トイレやお風呂、キッチンなどの水回り
- ドアや窓などの開閉部分
- コンセントや照明、テレビアンテナなどの電気設備
トイレやお風呂、キッチンなどの水回りが正常に機能しない状態では日常生活がままならないため、どれだけ家賃が安くても借り手がつかない可能性が高いです。
また、水漏れや排水の詰まりがあると、家の壁や床の汚損・破損の原因になるので早急に対応する必要があります。
ドアや窓などの開閉部分に問題がある場合も、防犯や防寒の観点から修繕が必要です。勝手口が閉まらなかったり、窓の鍵が壊れていたりする状態では、入居者に安心感を与えられません。
コンセントや照明、テレビアンテナなど電気設備の故障や老朽化は、生活が不便なだけではなく火災につながってしまいます。
修繕箇所がない場合でも、プロの業者によるハウスクリーニングは必須です。
築年数が経っている家の場合「古い、汚い」というイメージを持っている人もいるため、プロによる清掃が入居希望者への印象アップに効果的です。
3-3. 入居条件を緩和する
リフォームせずに家を貸し出す場合、入居条件を柔軟に設定することで入居者の間口を広げられます。条件緩和の一例は、以下のとおりです。
- ペット可
- 喫煙可
- 楽器演奏可
- 単身高齢者可
- 外国人可
このような入居条件を緩和することで、入居希望者が増えて借主が決まる確率が上がります。
戸建ての場合は、マンションと比べて騒音問題が少なく、ペットの飼育もできるため幅が広がります。
また、単身高齢者に関しては、賃借ニーズが高いにも関わらず貸さないオーナーが多いのが実情です。そのため、単身高齢者の入居可にするだけでも、入居希望者が増える可能性は高いです。
ただし、入居条件の緩和には当然リスクも伴います。
ペット可とすれば、床や壁の傷、臭いの染み付き、虫の発生などの問題が生じる可能性があります。
喫煙を可にすれば、壁紙やカーテンへのヤニの付着、臭いの問題が発生するでしょう。
このように、入居条件の緩和は入居率向上というメリットがある一方で、物件管理上のリスクや次の入居者募集時の難しさというデメリットもあります。条件緩和によるリスクに備えて、敷金を通常より多めに設定したり、退去時の原状回復ルールを明確にしたりするなどの対策も重要です。
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4. 現状のままや簡単なリフォームでは貸せない場合

現状のままや簡単なリフォームでは貸せない場合は、以下の選択肢があります。
- 大規模なリフォームを行って賃貸する
- 空き家として所有し続ける
- 売却する
大規模なリフォームを行う場合は、工事費用の回収の見通しを立てることが重要です。
リフォーム費用が高額になるほど賃料収入による回収が困難になり、入居者が長期間見つからない可能性もあります。「リフォーム費用を回収できるのか」「リフォームしてまで貸し出すことが正解なのか」を賃貸管理会社やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しましょう。
空き家として所有し続ける選択肢もありますが、固定資産税や維持管理費などのコストがかかり続けることに注意が必要です。また定期的な換気や清掃、防犯対策を怠ると建物の劣化が進んだり、近隣トラブルの原因になったりする恐れがあります。
そこで、おすすめしたいのが「リロの空き家再生」です。リロの留守宅管理では、空き家に「賃貸」という選択肢を持ってもらうため、新たに空き家を資産として賃貸活用してもらうためサービスをはじめました。「リロの空き家再生」の主な特徴は、以下のとおりです。
- 空室時の賃料保証
- 賃料の一括前払い
- 定期借家契約
当サービスでは、市場相場賃料の80%を保証する制度を設けているため、オーナーは入居者の募集や空室の心配がありません。また、一括前払いを行っているので、リフォーム費用に充てることが可能です。さらに、定期借家契約を締結するため、一定期間後に大切な不動産を自分で使うこともできます。
売却する場合は、不動産会社に相談して適正な売却価格を算出してもらいましょう。立地条件によっては、リフォームせずに現状のまま売却しても需要が見込める場合があります。
近年では自らリノベーションして理想の自宅にしたい買主も多く、リフォームは不要というケースも珍しくありません。複数の不動産会社に査定を依頼し、売却価格や担当者との相性を比較することをおすすめします。
いずれの選択肢を取る場合も、まずは不動産会社に相談してアドバイスを受けながら、判断することが大切です。
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5. リフォームせずに家を貸す流れ5ステップ

リフォームせずに家を貸し出す流れは、以下のとおりです。
- 賃料査定を依頼し賃貸管理会社を決める
- 最低限の修繕が必要かを確認する
- 入居条件を決める
- 入居者募集を行う
- 賃貸借契約を結ぶ
それぞれ詳しく解説します。
5-1. 賃料査定を依頼し賃貸管理会社を決める
まずは、賃貸管理会社に物件の賃料査定を依頼しましょう。地域の相場や過去の事例、物件の状態を踏まえて現実的な賃料査定を受けることで、空室リスクへの対策にもなります。賃料査定を依頼する際には、複数の管理会社に依頼するのがおすすめです。
会社によって査定額や提案内容が異なるため、比較検討することで最適なパートナーを見つけやすくなります。賃貸管理会社を選ぶ際には、以下のポイントに注目してみてください。
- 古い一軒家の管理実績が豊富か
- 緊急時の対応体制が整っているか
- 家賃滞納時のサポート体制が整っているか
- 管理手数料は妥当か
- 定期借家契約や一時使用賃貸借契約は選べるか
家を貸す時の家賃の決め方について、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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5-2. 最低限の修繕が必要かを確認する
リフォームせずに貸したいといえども、居住性や安全性に関わる部分については最低限の修繕が必要な場合があります。賃貸管理会社による賃料査定の際に、水回り・建具・床などの状態を満たしているかをチェックしてもらいましょう。
プロの目線から、リフォームの必要性について客観的なアドバイスをもらえる可能性があります。「このままでも貸せる」という判断や「この部分だけ修繕すれば十分」といった具体的な提案があると、家主の安心感につながるでしょう。
もし修繕が必要と判断された場合は、賃貸管理会社に修理業者の手配を依頼できるかも確認しておくのがおすすめです。また、複数の修理業者から見積もりを取って比較することで、コスト削減になります。
5-3. 入居条件を決める
賃貸管理会社と契約したあとは、以下のような入居条件を設定します。
- 家賃
- 敷金・礼金の金額
- 賃貸借契約の種類(普通借家契約・定期借家契約・一時使用賃貸借契約)
- 契約期間
- 更新料の有無と条件
- ペット飼育の可否
- 喫煙の可否
- 楽器演奏の可否
- 原状回復の範囲と費用負担 など
家賃は査定結果を踏まえて、家主の希望を反映して決定します。リフォームせずに家を貸す場合は、周辺相場よりも低めに設定することで、入居者の確保につながりやすくなるでしょう。
ペットの飼育や楽器の演奏などの条件設定は、貸主の希望や物件の状態を考慮して検討します。ただし貸主の希望ばかりを優先すると、入居希望者が減少するリスクがあります。例えば「ペット不可・楽器不可・喫煙不可」のように制限を多く設けると、入居のハードルが上がり、入居者が集まりにくくなるでしょう。
賃料や入居者条件を決める際には、賃貸管理会社の担当者と十分に打ち合わせを行い、市場動向や入居者ニーズを踏まえて設定することをおすすめします。
5-4. 入居者募集を行う
入居条件が決まったら、入居者の募集を行います。募集活動は、SUUMOやHOME’Sなどの不動産ポータルサイトや自社ホームページへの掲載が一般的です。賃貸管理会社によっては、法人向けの集客チャネルや独自のネットワークを活用するケースもあります。
入居者募集を開始すると、入居希望者から物件の見学を希望する「内見」の申し込みが入ります。内見時の印象は契約につながるので、事前に清掃を行い清潔な状態で見学できるようにしましょう。
入居申込が入ったら、借主の支払い能力や連帯保証人の保証意思があるのかなどを、賃貸管理会社を通して保証会社が調査する「入居審査」を行います。
審査結果によっては、申し込みをお断りするケースもあります。契約後に賃料未払いや近所トラブルなどの問題が起きてからでは遅いため、収入・人物の両面からしっかり審査してもらいましょう。審査に問題がなければ、賃貸借契約の締結へと進みます。
5-5. 賃貸借契約を結ぶ
普通借家契約 | 定期借家契約 | 一時使用賃貸借契約 | |
---|---|---|---|
契約期間 | 基本的に1年以上の期間を設定 ※期間の定めのない契約も可 | 契約時に契約期間を設定 | 一時使用の目的を果たすまでの期間 |
契約の更新 | 可 | 不可 | 不可 |
貸主からの解約申し入れ | 正当事由がない限り不可 | 期間満了をもって解約可 ※期間満了の6ヶ月から1年前までの間に解約予告が必要 | 一時使用の目的を果たすことにより解約可 ※事前の解約予告が必要 解約日の3ヶ月前まで |
契約方法 | 口頭でも書面でも可 | 書面(または電磁的記録)でのみ可 | 口頭でも書面でも可 |
賃料 | 賃貸市場の相場 | 普通借家契約の8割ほど | 普通借家契約の8割ほど |
用途 | 投資や相続した空き家など(対象の家に住まず永続的に貸し出す) | 転勤など(対象の家に再入居する意向がある) | 転勤(対象の家に再入居する意向がある) |
賃貸借契約には「普通借家契約」「定期借家契約」「一時使用賃貸借契約」の3つがあり、それぞれ以下のように契約期間や更新の可否などが異なります。
一時的に貸し出して、後々自分で住みたいといった希望があれば「定期借家契約」または「一時使用賃貸借契約」がおすすめです。いずれの契約形態を選ぶにしても、古い一軒家の場合は現状の不具合や注意点などを説明し、後々のトラブルを未然に防ぐことが重要です。
持ち家を賃貸に出す手順について、以下の記事で詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
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6. リフォームせずに貸す3つのメリット

リフォームせずに貸すメリットは、以下の3つです。
- 初期費用を抑えつつ賃貸収入を得られる
- 工事期間がないためすぐに賃貸募集をはじめられる
- 将来の活用方法を柔軟に検討できる
それぞれ詳しく解説します。
6-1. 初期費用を抑えつつ賃貸収入を得られる
リフォームせずにハウスクリーニングだけを行い貸し出せると、大きな初期投資なしに賃貸収入を得ることが可能です。リフォーム工事を行う場合、工事箇所や内容によって異なりますが数十万円から数千万円の費用が発生します。一方、リフォームせずにハウスクリーニングだけで貸し出す場合、その費用は数万円から十数万円程度に抑えることが可能です。
また、リフォーム費用のための借入れが不要となるため、毎月の返済負担もなく、賃料収入をそのまま手元に残せます。さらに初期投資がかかっていないため、家賃設定を低めに抑えられ、入居希望者を見つけやすくなります。
6-2. 工事期間がないためすぐに賃貸募集をはじめられる
リフォーム工事は内容によって数日から数ヶ月程度かかりますが、リフォームなしであれば即座に賃貸募集を開始できます。また本業が忙しかったり、物件が遠方にあったりして、リフォーム工事の打ち合わせや現場確認に頻繁に足を運べない方にとっても、手間を大幅に省ける点は魅力的です。
さらに、DIY可能な条件で貸し出すことで、入居者自身の好みや生活スタイルに合わせた改装を入居者負担で行ってもらえる可能性もあります。このように、条件設定によってはオーナー側の投資なしに物件価値を高めることが可能です。
6-3. 将来の活用方法を柔軟に検討できる
大規模なリフォームを行うと、その投資回収のためにある程度長期間の賃貸経営が必要です。
いっぽうで最小限の修繕であれば、状況の変化に応じてさまざまな選択肢を取ることが可能です。例えば、相続した実家を当面は賃貸に出しておき、将来的に売却する可能性も視野に入れておけます。また、家族構成の変化(子どもの独立や親の介護など)に応じて、自分で使用するという選択肢も残せます。
定期借家契約を活用すれば、数年後の建て替えや大規模リフォームも計画的に進めることが可能です。建て替えを前提とした場合、中途半端なリフォーム費用をかけることなく、最終的には自分の希望に沿った住宅を建てられます。
7. まとめ
リフォームせずに貸し出すことは、初期投資を抑えながら賃貸収入を得られる合理的な選択肢といえます。また、リフォームをしないことで家賃を低く抑えられ、入居希望者の幅を広げられます。
リフォームなしで貸し出せるかの判断基準として、築年数と建物状態を確認しましょう。状況に応じて、最低限の修繕とハウスクリーニングを行うことになりますが、専門的な内容になるため賃貸管理会社に相談することをおすすめします。
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