気になる海外赴任先の医療事情

海外赴任先で万一病気やけがに見舞われたら……そんな不安をお持ちの方も多いと思います。日本と比べて赴任先の医療や薬はどうなのだろう、医療保険のしくみはどう違うのだろう。赴任前の不安を少しでも和らげられるよう、ここでは海外の医療事情について簡単にご紹介しましょう。

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1. 海外ではかかりつけ”のホームドクター制が主流

海外ではかかりつけ”のホームドクター制が主流

医療事情は各国や地域によって異なりますが、主な先進国では“かかりつけ医師”を意味する「ホームドクター制」が一般的です。つまり、病気やけがなどの治療を受けたいときにはまずホームドクターに相談し、専門的な治療や検査、手術、入院等が必要な場合も、このホームドクターを通じて総合病院などを紹介してもらうというシステムです。

そのため、安心して任せられるホームドクターに出会えるかどうかが非常に重要になります。日本人医師がいる国や地域もありますが、日本人だったら安心と簡単に決めつけるのではなく、日本人のコミュニティなどで医師としての技量や対応の善し悪しなどをしっかりと確かめて選ぶようにしましょう。

ただ、ホームドクターの診断だけに従うのではなく、セカンドオピニオンとして別の医師に意見を求めることもできます。これは海外では患者の当然の権利として浸透していますので、遠慮することなく相談するようにしましょう。

2. 薬は薬局から購入する医薬分業制

日本では診察後に薬も病院で処方されることが主流ですが、海外では多くの場合、医師は診察だけで、薬は薬局で購入するという「医薬分業制」が採用されています。患者は医師から処方箋(Prescription)を受け取り、病院で診察代の精算を済ませた後、薬局で処方箋を提示して薬を購入します。

海外で市販されている医薬品のなかには、日本人には効果が強すぎるものもあります。日本からある程度の常備薬を持っていくと安心ですが、やはり海外で薬を調達しなくてはいけないケースも考えられますので、その際にもホームドクターに相談のうえ、体質や症状に合った薬を処方してもらうことをおすすめします。

3. 医療保険事情も日本とは異なる

ヨーロッパなどでは日本のように公的な医療保険制度があり、現地滞在中の日本人も加入できる国がありますが、アメリカなどでは公的な保険でカバーされるのは高齢者や障がい者に限られ、ほとんどの人は民間の医療保険に加入しています。そのため、海外赴任者は企業を通して赴任先の公的な医療保険に加入するか、もしくは民間の保険会社の海外旅行保険駐在員保険などに加入して保障を受けることが一般的です。

ただその際、保障されるのは現地での病気やけがに限られ、日本で治療中の病気やけが、持病などには適応されないものが主流です。医療保険の加入時には、そうしたことも含めて企業や保険会社に相談・確認するようにしましょう。

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