賃貸管理とはマンションや一戸建てを貸し出すと物件や入居者を適切に管理しなければいけません。それら管理に伴う業務を賃貸管理と呼びます。
1室であっても賃貸管理業務は多岐に渡り、専門性も要求されます。中には緊急対応が必要な場合もあることから、賃貸管理を管理会社に委託する場合が多いです。
この記事では「賃貸管理の業務内容」「賃貸管理会社を活用するメリット」「賃貸管理会社選定時のポイント」などについて解説していきます。
賃貸管理とは、マンションや一戸建てを貸し出す際に発生する、入居者募集から入居中の管理、退去時の対応など、様々な管理業務を行うことです。賃貸管理には「物件管理」「入居者管理」があり、管理パターンは3つの形態に分かれ、貸し出す目的により選び方も異なります。
これらは「4. 賃貸管理の形態に迷ったときの選び方」で後述しますが、賃貸管理とは具体的な内容、賃貸管理会社の選び方など、賃貸管理に対して色々な疑問について、ポイントを絞ってご案内します。
賃貸管理には、入居者に関する管理業務、物件に関する管理業務の2つの管理業務があります。大まかに分けると以下のような項目が挙げられます。
入居者を早く見つけるために魅力的な物件広告をつくり、様々な媒体の広告掲載し募集活動をします。入居希望者の内見を実施するために仲介会社との連携や鍵の管理なども行います。
広告用の撮影とは別に、物件や室内の傷の有無や箇所などを画像などで証拠として記録します。記録を残すことで、解約時に物件に損傷などがあった場合の責任の所在がわかりやすくなり、借主の費用負担の範囲が明確になります。
入居希望者から申し込みが入ると、借主として問題ないか入居審査を行います。入居審査を通過すると、重要事項説明のほか、マンションの使用細則などの各種説明を借主に実施し、賃貸借契約を締結します。これらの業務は専門的な知識が必要になるので、賃貸管理会社に依頼すると良いでしょう。
賃貸期間中、借主から家賃を回収します。家賃の滞納があれば、家賃の督促を行います。
昨今は、借主が家賃保証会社に入る事が一般的で、家賃も家賃保証会社から振り込まれることもあります。借主が家賃を滞納したとしても家賃保証会社から同額の家賃が保証され、督促も家賃保証会社が行うので、貸主は安心して賃貸運営ができるでしょう。
室内設備が壊れた際の修繕手配など、入居者に不便が起こらないように契約上必要となる範囲で問題解決に臨みます。また、入居者同士のトラブルが発生することもあり、迅速な対応が求められます。
これらの業務の他にも「契約更新手続き」「解約時の精算」が賃貸管理の業務内容に含まれます。
建物管理は、物件全体の管理と居室の設備管理などに分かれます。居室の管理は賃貸管理会社が入居者管理と併せて行い、物件全体の管理はマンション管理会社が行うことが一般的です。
建物管理の目的は、経年劣化する物件やエレベーターなどの設備に対して適切な処置をすることで物件の維持管理をしていくことです。建物管理を適切に行うことで物件価値の維持、向上に繋がり、家賃収入の低下を抑制できます。建物の状況は、借主の満足度や入居者募集においての借主の見つけやすさを左右する重要なポイントです。
賃貸管理会社に管理を委託した場合は、オーナーに代わって上記の管理を行うほか、賃貸経営のプランニングや適切な賃料設定といったコンサルティング業務も行いますので、ご自宅の賃料査定と合わせて相談をしてみるとよいでしょう。
賃貸管理は自主管理、管理委託、サブリースの大きく3つに分けられます。ここでは各形態の概要やメリット、デメリットをご案内いたします。
自主管理は、賃貸管理会社は利用せず賃貸管理業務全般を貸主自身で行う管理方法です。
一般的に家賃収入の5~10%程度となる管理手数料もかかりません。そうしたメリットと引き換えに、業務の負担も責任も貸主自らのものとなります。前述した多岐に渡る管理業務には業者を手配し貸主として立会うこともあります。自主管理は専門的な知識に加えて臨機応変な対応や判断も必要になり、時間や手間もかかります。
自主管理のメリットとデメリットは、以下の通りです。
メリット
デメリット
管理委託は、賃貸管理業務を賃貸管理会社に委託する方法です。
5~10%程度の管理手数料が発生しますが、賃貸管理会社が管理業務を行うので手間や時間を軽減できます。会社員が転勤期間中だけ家を貸し出すなど、本業があり賃貸が副業の場合などは賃貸管理会社のサービスを利用することは、ほぼ必須と言えるでしょう。
手数料として支出も増えますが、賃貸管理のプロからサポートを受けたり、管理業務を代行してもらえたりするほか、適切なタイミングで修繕等も行われ、資産価値の大幅な下落を防ぐ効果が期待できるなど、得られる恩恵は大きなものになります。
委託管理のメリット、デメリットは以下の通りです。
メリット
デメリット
サブリースは賃貸管理会社が契約当事者となるのが大きな特徴です。管理委託よりさらにオーナーの負担を軽減できる点が、大きなメリットといえるでしょう。賃貸管理会社が契約当事者となり、家賃滞納者に対しての家賃督促や明け渡し訴訟等の法律行為も行うことができます。
そのため、可能な限り管理の手間やリスクをなくしたい人には、サブリースがおすすめです。特に転勤等で賃貸管理に割ける時間が少ない場合や、遠方の物件を相続して管理が難しい場合などによく選ばれる賃貸管理方法です。
サブリースを選択するメリットとデメリットは、以下の通りです。
メリット
デメリット
賃貸管理形態の特徴はわかったものの、どの管理形態を選べばいいかよくわからない人も多いと思います。
各管理形態のうち、どれを選んだらいいかの大まかな基準を以下にまとめました。選ぶ際の参考にしてください。
賃貸経営を本業にしたい方は、自主管理が良いでしょう。未経験の方であれば、入居者の募集や契約関係は専門的な知識が必要なので、入居者募集は「不動産仲介会社」に依頼し、入居者の管理に専念する方法もあります。
ただし、物件が遠隔地の場合は何かあった際の対応が難しく、また複数物件を所有している場合も業務量が多くなるため、自主管理は難しいでしょう。
遠方に物件がある、賃貸管理に不慣れな場合は、管理委託がおすすめです。賃貸管理会社に委託すれば、入居者募集、入居者審査、契約、敷金精算といった賃貸管理に関する業務のほとんどを任せられます。賃貸管理会社によってサービスが異なるので、管理会社に確認しましょう。
賃貸管理における手間を管理委託以上に軽減したい場合は、サブリースがおすすめです。
サブリースは賃貸管理会社が契約当事者となることで、賃貸管理を行う中で貸主・借主でなければ対応できないことまで対応できるようになるのが委託管理との違いです。一般的に委託管理よりも手数料は高くなりますが、賃貸経営のリスクを抑えることができます。一方で、空室時の家賃保証が含まれる契約内容の場合は複雑化しやすいため、解約要件など、どのようなリスクが生まれるのか管理会社に確認しましょう。
賃貸管理会社を活用するメリットのうち大きなことの一つは、個人では獲得できない量の知識や経験を保持しているため、それらを活かして業務を遂行してもらえたり、判断に迷ったときの相談にのってくれたりすることです。ほかにも以下のようなメリットがあります。
賃貸管理会社に委託することで、多岐にわたる管理業務を削減できます。削減できる業務内容は、入居時の立会いや契約周りや解約時の敷金精算など様々で、自身が借主と直接合わなくても管理会社が代わりに対応してくれます。
たとえば転勤期間だけ貸し出したい場合、貸主は遠方に住むことが考えられます。そのような時に管理会社へ委託することで、自身が物件近くに住んでいなくても賃貸ができます。
入居者の対応も賃貸管理会社が代わりに行なってくれます。内容としては、設備トラブルやクレームの対応などが挙げられます。入居者の都合に合わせて対応する必要があることから、これらのサポートはかなりの負担になるため、管理会社が請け負ってくれることで貸主の精神的な負担をかなり軽減できるでしょう。
また、管理会社の場合、個人で対応するよりも迅速な対応が期待できるため、入居者の満足度の向上にも繋がり、家賃の減額相談の抑制や契約更新に繋がることが期待できます。
設備や居室の適切な使い方を入居者に伝え、物件の劣化が発生した場合の修繕等を行います。ハウスメーカーなどによる定期点検なども入居者との調整を行うなど、物件の状態を少しでも良い状態で維持するために管理をしてくれるため、オーナーが手を下さなくても物件の状態を保持することが可能です。
賃貸中は色々なリスクが発生しますが、管理会社に委託することで軽減できます。
当社の場合は、解約後に入居者が物件を明け渡さない場合、賃料等とは別に賃料相当額の支払いを保証するサービスや、オプションサービスとして設備の修理やメンテナンス費用を一定額まで当社が負担するものもあります。
管理委託するメリットがある一方で、委託することによるデメリットもあります。最も知っておくべきデメリットは、管理を委託することによって発生する管理手数料です。
管理手数料の相場は5~10%程度とされています。月10万円の家賃で年間120万円の家賃収入があれば、年間6~12万円は手数料として支払うことになります。
一方、委託することで賃貸管理業務を大幅に軽減できることも事実です。不慣れな方が管理業務を行う場合、対応内容によってはこれ以上の費用や時間を使うかもしれません。自身で管理する時間や賃貸管理の経験が少ない人ほど賃貸管理会社を利用するメリットは大きくなり、相場の範囲内の手数料なら充分に支払う価値があると言えるでしょう。
前項で賃貸管理会社を活用するメリット、デメリットをお伝えしましたが、実際に管理会社を活用する際、どのように選んだら良いか分からない方も多いと思います。こちらでは、管理会社を選ぶ際の3つのポイントをご案内します。
管理委託では日常的な入居者対応業務や家賃集金、設備の修繕手配、退去時の敷金精算などが賃貸管理会社の主な業務です。
しかし、管理会社によっていくつかのプランがありそれぞれ業務範囲も異なります。入居者募集、契約、家賃回収のみの最低限の業務のみを取り扱う管理会社もあります。この場合、それ以外の業務を自身で行うので専門的な知識が必要になり手間や負担も大きくなるでしょう。
管理業務について、入居者募集から入居中のクレーム対応、退去時の敷金精算まで全ての範囲が対象か、建物管理はどうなるか、などを検討している賃貸管理会社に確認し、自身が求める範囲なのかを見定めてください。
管理業務の範囲が問題なければ、手数料が妥当かを考えましょう。管理手数料の基準は家賃に対して5~10%を相場とし、2つの観点で確認します。
一つは、管理手数料と家賃が釣り合っているかという視点
もう一つは、他社の料金と差があるときに、その差額に対して受けられる業務範囲が充分と判断できるかという視点です。管理手数料での賃貸管理会社選びは、数値で判断できるので簡単ですが、それに伴う業務範囲なども把握しておかなければ、後から負担になってしまうことも考えられるので、注意してください。
管理実績や管理戸数は、賃貸管理会社の信用度を測るうえで重要な項目です。管理実績が多い会社なら不動産ネットワークの大きさなどの空室リスクを最小限に抑えるための集客力が期待でき、管理戸数が多ければその分だけ賃貸管理のノウハウが蓄積されていると考えられます。また、自身と同じような状況や物件をより多く取り扱っているかも、選定にあたって重要なポイントでしょう。
賃貸管理の業務内容や管理形態、管理会社を活用するメリットや選定時のポイントをお伝えしました。
賃貸管理の業務内容は多岐にわたります。自主管理は、経験や専門知識が求められ手間もかかります。時間に余裕のない方や賃貸運営に不慣れな方は、管理会社に委託することで、手間や負担を軽減でき、安心して賃貸運営ができるでしょう。
賃貸管理を委託する場合は、家賃収入がどのくらいになりそうか、概算の家賃を確認することが大切です。
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